数ある人気マンガのアニメ化作品のなかには、原作との兼ね合いや視聴率の低下など、何らかの事情から途中で放送が終了することがあります。とくに重要なエピソードが描かれないまま最終回を迎えた作品は、当時の視聴者を悲しませていたようです。
アニメ『烈火の炎』DVD-BOX1巻(デジタルサイト)
【画像】え…っ? ぱっと見比べただけで「超進化してる」 こちらが画力の向上に驚く『烈火の炎』1巻と最終巻です
前代未聞の結末も再アニメ化でしっかり補完
人気マンガのアニメ化はうれしいものですが、さまざまな事情により、ストーリーが中途半端なまま終わることもあります。その後に長い年月を経て復活した作品もありますが、当時の視聴者はショックを受けたことでしょう。「打ち切り」と言われている、有名な平成のアニメを振り返ります。
『魔法陣グルグル』
1994年に放送されたTVアニメ『魔法陣グルグル』(原作:衛藤ヒロユキ)は、魔王「ギリ」の打倒を目指す、主人公「ニケ」とヒロイン「ククリ」のドタバタ大冒険を描いた物語です。
アニメは好評でしたが、途中でストーリーが原作に追いついたことで、32話からはアニメオリジナル展開となりました。そして最終回の45話は、魔王ギリのもとへ着いたものの、ふたりが「やっぱりやーめた!」といきなり戦闘を放棄し、帰還する形で幕を閉じたのです。
魔王も驚きの最終回に、当時を振り返った視聴者からは「幼いながら『ハァ?』と思った」「この終わり方は『キャラに合っててうまい!』と思った」「このふたりらしいなーってのと、まだまだ冒険を続けようって子供らしさがあってこのラストは好き」と、さまざまな意見が出ています。
2017年に放送されたリメイク版では、原作でうやむやになっていたライバル「レイド」との決着も描かれ、物語もラストにたどり着きました。最終回では、初代のアニメED「Wind Climbing~風にあそばれて~」が流れるサプライズ演出もあり、感激したファンも多かったようです。
『烈火の炎』
1997年に放送されたTVアニメ『烈火の炎』(原作:安西信行)は、炎を操る能力を持つ主人公「花菱烈火」が、治癒能力を持つ少女「佐古下柳」を守るために、仲間とともに敵と戦うバトル系の作品です。原作の中盤「裏武闘殺陣編」までにあたる、全42話が放送されて終了となりました。
「週刊少年サンデー」(小学館)での連載中に放送が始まり、原作に追いついたためか改変が多く、また視聴率が低迷して打ち切りになったと言われています。完結した原作の評価は高く、近年の再アニメ化のブームに乗って、リメイクを求める声が多々出ています。迫力あるアクションシーンが最新技術で再現されれば、かなりの話題となりそうです。
『中華一番!』
1997年から全52話が放送されたTVアニメ『中華一番!』(原作:小川悦司)は、国内にとどまらず、中国や台湾でも放映される人気作となりました。本作は、19世紀の中国を舞台に、中華料理界の頂点を目指す主人公「リョウ・マオシン(マオ)」の冒険や、戦いを通した成長を描いた物語です。
基本的には原作に忠実だったものの、こちらも途中で追いついたために中盤からアニメオリジナルの展開となり、原作での最終決戦である裏料理界最高幹部「五虎星」と戦わないまま、中国大陸各地に散らばる「伝説の厨具」を探す旅に出る形で幕を閉じました。
その後、2019年に続編『真・中華一番!』が放送され、五虎星との最終決戦も描かれています。ちなみに、原作はいまもなお最新シリーズ『中華一番!極』として続いており、2017年から現在まで「講談社マガジンポケット」にて連載中です。