マンガならではの「さすがに再現できないのでは?」といった2次元すぎるキャラクターも、「2.5次元」の舞台では意外にも高いクオリティで再現されています。人間離れした体型に加え、そもそも人間ではないキャラクターの再現度には、納得してしまったファンも多かったようです。



『ボボボーボ・ボーボボ』初舞台化を記念して、YouTubeジャンプチャンネルで配信された第1話のサムネイル

【画像】え…っ?「こんな似ることある?」「中の人はイケメン」こちらが再現度高すぎた2.5次元のボーボボです(4枚)

もはや本人? 2.5次元でまさかの再現度

 マンガやアニメ、ゲームなど2次元の作品を原作、原案とした舞台やミュージカルなどの、いわゆる「2.5次元」は、「推し活文化」が一般的なものになった2010年代頃から知名度を大きく上げています。

 2.5次元舞台の魅力のひとつは、規格外の肉体を持つ人物や人間ではないキャラクターも、出演者の高い演技力や舞台装置、特殊メイクによって再現できる点にあります。

 現在は、2025年4月11日から上演されている舞台『「鬼滅の刃」其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里』に登場する、ヘビのように細長い下半身が壺とつながっている姿の鬼「玉壺(ぎょっこ 演:川﨑優作)」に絶賛が集まっているようです。ほぼ原作通りのメイクアップも見事で、「下半身はどうなってるんだってくらいクオリティー高い」「違和感が仕事してない」と驚きの声が相次いでいます。

 そのような3次元向きではないはずが、2.5次元舞台でリアルに再現されたキャラクターを振り返ります。

『ボボボーボ・ボーボボ』:ボーボボ

 2001年から「週刊少年ジャンプ」で連載が開始された、不条理なギャグバトルが繰り広げられるマンガ『ボボボーボ・ボーボボ』(原作:澤井啓夫)の舞台版『超ハジケステージ☆ボボボーボ・ボーボボ』は、2024年に上映され高い評判を得ました。

 本作に登場するのは太陽に顔がついたような「首領パッチ(演:稲荷卓央)」や、身体がところてんの「ところ天の助(演:ロングコートダディ・兎)」など、ギャグマンガならではのキャラクターが中心のため、当初は原作ファンでさえも舞台化できるのか疑問を持っていました。

 しかし、後日公開されたビジュアルでは、金髪のアフロヘアーとサングラスが特徴的な巨漢の主人公「ボボボーボ・ボーボボ(演:加藤将)」をはじめ、メインキャラたちが着ぐるみや特殊メイクでしっかり再現されており、主演の加藤将さんには「ボーボボ本人すぎて『テニミュ(テニスの王子様のミュージカル)』とか『刀ミュ(刀剣乱舞のミュージカル)』出演時のビジュアルと比較すると脳がバグる」「ここまで原作再現できると思わなかった」と期待の声の方が一気に増えだします。

 2024年10月から始まった本編の上演も、原作さながらの奇想天外なギャグや独特な世界観が舞台装置や巧みな演出によって再現され、原作ファンも納得の仕上がりとなりました。

『グラップラー刃牙』:花山薫

 板垣恵介先生による人気マンガ『グラップラー刃牙』は、地下闘技場を中心にさまざまな格闘家が熱戦を繰り広げる作品で、人間離れした筋骨隆々のキャラが数多く登場します。2024年にはシリーズ序章の「地下闘技場編」をもとにした舞台『刃牙 THE GRAPPLER STAGE ―地下闘技場編ー』が上映され、発表直後は再現が難しそうなキャラクターを誰が演じるのか、大きな話題を集めていました。

 キャストのなかでも反響が大きかったのは、身長190.5cm、体重166kgというマンガ体型で、顔を含めた全身が傷だらけの人気キャラ「花山薫」を演じた桜庭大翔さんです。桜庭さんはキャスト発表前からSNSに筋トレの様子をアップしており、後に役作りのため100kgまで増量したことを明かしました。

 花山顔負けの盛り上がった腕の筋肉や、割れた腹筋の写真には「ここまで再現しようとする努力に頭下がる」「想像以上に花山でめちゃくちゃ舞台観たくなった」と原作ファンも太鼓判を押しています。この体躯から繰り出す、防御を考慮していない独自のパンチフォームや、ハンドポケットのときの姿勢など、細かい再現度も話題になりました。

『呪術廻戦』:パンダ

 2022年に上演された舞台『呪術廻戦』(原作:芥見下々)は、 原作マンガの持つダークファンタジーの世界観がリアルに再現され、続編も上演されるほどの人気を獲得しています。

 特徴的なビジュアルの登場人物たちも、舞台版のキャスト解禁時から再現度に大きな反響が集まっていました。なかでも主人公「虎杖悠仁」の先輩で、人の言葉を流暢に話す「パンダ(演:寺山武志)」には「パンダがパンダすぎて笑う」「毛並みの良さも含めて完全にパンダ先輩」と、驚きの声が出ています。

 さらに火山のような頭と単眼の「漏瑚(じょうご 演:山岸門人)」、目の部分から2本の枝が突き出ている「花御(はなみ 演:南誉士広)」といった「特級呪霊」たちも特殊メイクで再現されており、「夜道で会いたくないほどリアルで怖い」「どうやって表現されるのか懸念してたけど、もう本人だった」と反響を呼んでいます。プロジェクションマッピングを駆使したアクションシーンも迫力満点で、全体的に満足度が高い舞台となりました。