ヒロインは円井わん!北村有起哉主演、内田英治監督作『逆火』本ビジュアル、予告、追加キャスト到着

北村有起哉が主演し、『マッチング』(23)、『ミッドナイトスワン』(21)の内田英治が原案、監督を務める映画『逆火』(7月11日公開)。このたびポスターおよび予告編が完成し、追加キャストやメイン写真も解禁。さらに、ヒロインの円井わんと内田監督からのコメントも到着した。


【写真を見る】ヒロインに内田わん!北村有起哉と2ショットのビジュアルも到着 / [c]2025「逆火」製作委員会
本作は、現代社会の抱える問題や矛盾を映画制作現場という舞台を通して、人間の表と裏をあぶりだしていく完全オリジナル脚本のヒューマンサスペンス。脚本は内田と共同脚本を手掛けた『サイレントラブ』(24)のまなべゆきこ。数々の話題作に出演し、信頼できる俳優として名高い北村は、内田監督作品への出演としては『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』(23)、『誰よりもつよく抱きしめて』(公開中)と本作で3作目となる。そんな北村と、『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞優秀監督賞、優秀脚本賞を受賞し、幅広いジャンルの作品を手掛けエンタテイメントシーンをけん引する内田との強力なタッグが実現した。

主人公である助監督の野島役に北村、そして自伝小説で成功した疑惑のヒロインを円井が務める。円井は、2025年度後期の連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK)のヒロインの幼なじみ役として出演が決定している。さらに、理想論を振りかざす映画監督に、かもめんたるの岩崎う大、もめ事を回避したいプロデューサーに片岡礼子、野島の妻に大山真絵子、野島の娘に中心愛など、個性派俳優が脇を固めている。


『逆火』のポスタービジュアル / [c]2025「逆火」製作委員会
家族のことを顧みず、いつかは映画監督になることを夢見ながら撮影現場で働く助監督の野島が、次の仕事となる、ある少女の自伝小説の映画化の現場を切り盛りするところから、物語が動きだす。貧しい家庭で育ち亡き父の介護をするなど苦労して成功した少女ARISA。ところが、周囲の話を聞くうちに、小説に書かれている美談とは程遠い“ある疑惑”が浮き彫りになっていく。この女は、悲劇のヒロインなのか、それとも犯罪者なのか?映画化の根底を揺るがしかねない事態に陥ってもなお、名声を気にして理想論を振りかざすエゴイストの監督、現場任せで大ごとにしたくない会社員プロデューサー、ギャラのために続けたいスタッフと、様々な思惑で撮影を中断したくない面々が、真実を追求する野島に圧力をかけてくる。さらに、野島の口を封じるかのようにプロデューサーは、この現場を乗り切れば監督デビューができるかもしれないとささやくのだった。そして、真実が置いてきぼりにされたまま撮影は進められていく。やがて疑惑の火は、家族をも巻き込み野島の日常は崩れ始める…。

今回解禁となった予告編では、北村扮する助監督の野島が、円井扮する苦労して自伝小説で成功したARISAの「父親殺し」の疑惑を追及していく様子を捉えている。「実話」と銘打たれた「新作映画」の感動ストーリーが嘘だとしたら?現場を任された助監督が、主人公の疑惑の真相に迫るうちに、自身の日常も崩壊し翻弄されていく。そんな緊張感あふれる展開に目を見張る予告編に仕上がった。

ポスターは、海辺に2人がたたずむ野島とARISAの姿が写しだされ、「この女は、悲劇のヒロインか、犯罪者か?」という強烈なコピーとともに、真実を暴こうとする野島の鋭い眼差しを捉えたインパクトあるデザインとなった。

映画制作現場を通して、きれいごとを語りながらも成功するために魂を売り、真実に向き合うことをやめてしまった大人たちに道徳観を問いただす、踏み絵的なヒューマンサスペンスとなる本作。続報に期待したい。

■<キャスト、スタッフコメント>

●円井わん(ARISA役)

「逆火でARISAを演じさせていただきました。内田英治監督の作品が俳優デビューの私としては、今回このような大役をいただけたことをとても嬉しく思います。現代においての様々な闇をテーマに展開される社会派ヒューマンサスペンスです。なにを大事にすべきか、なにを天秤にかけるべきか、なにを正義とするのか。北村有起哉さん演じる主人公の野島に降りかかる問題に観客の皆様も翻弄される作品となっていることと思います。私自身、脚本を拝見した段階で多くのことを調べ多くのことを疑いました。いまを生きる皆様に本当に観ていただきたい作品になっております。『逆火』が沢山の方の目に留まりますように。是非劇場でお待ちしております」

●内田英治(監督)

「『逆火』は個性的な俳優たちがのびのびと演技し、映画界の裏側をリアルに表現をすることができた。理想がおかしな方向に向いてしまう映画監督を、お笑いの世界で活躍する岩崎う大さんが静かながらに不気味な雰囲気を作ってくれている。そして主人公の妻を演じた大山真絵子さんは、現代社会を鋭く反映させた母親像を熱演した。さらには近年めきめきと評価を高めている円井わんさん。私の映画『獣道』で最初に彼女を見たとき、個性の塊だと思った記憶がある。その個性で、『逆火』にも不思議な世界観を作ってくれており、サスペンス感を強めることができた。自由であることがウリのインディーズスタイル。俳優たちの個性がぶつかり合いをぜひ見ていただきたい」

文/山崎伸子