『ウルトラマン』のヒロイン「フジ・アキコ」隊員は、ウルトラマンが地球を去って、どんな人生を歩んだのでしょうか?



フジ・アキコ隊員演じる桜井浩子さんが表紙に描かれた「ヒロコ ウルトラの女神誕生物語」(小学館)

【画像】えっ、お美しい…こちらが『ウルトラマン』フジ隊員を演じた「桜井浩子」さんの現在のお姿です

フジ隊員のその後は?

 初代『ウルトラマン』の人気ヒロイン「フジ・アキコ」隊員は、その後どうなったのでしょうか?

 科学特捜隊の「ムラマツ班」では唯一の女性隊員であるフジ隊員。その劇中での活躍ぶりは多岐にわたります。自ら怪獣に立ち向かうこともあれば、砂糖と塩を間違える「ヒロイン」然としたミスも描かれます。また「メフィラス星人」によって巨大化されてしまうシーンはいまも伝説で、第1話から最終話まで、抜群の存在感を示してくれました。

 そんな「フジ・アキコ」隊員はその後、どのようなキャリアを歩んだのでしょうか。後年に作られた関連作品から、彼女の足跡を辿(たど)ってみることにします。

 まず2008年公開の『大決戦!超ウルトラ8兄弟』を観てみましょう。

 本作は過去のウルトラ作品に登場した主役人物らが、同時代に暮らす並行世界が舞台です。その世界において、フジ隊員とハヤタ隊員は「科学特捜隊」の同僚ではなく、自転車屋さんを営む「夫婦」として描かれていました。なお、「レナ」という娘もいます。

『ウルトラマン』本編において、フジ隊員とハヤタ隊員の恋愛描写は、皆無に等しく、並行世界という設定ではありますが、往年のファンを大いに喜ばせてくれました。ちなみに、この「自転車屋さん」という設定は、『ウルトラマンレオ』第30話にハヤタ役の黒部進さんと、フジ隊員役の桜井浩子さんがゲスト出演した際の設定を踏まえたものでした。

 いずれにせよ、次作『ウルトラセブン』のモロボシ・ダンとアンヌ隊員の「その後」が「続編」でも「並行世界」でも描かれてきたのに対し、このハヤタ隊員とフジ隊員の「その後」を知る機会はなかなかなく、それだけに嬉しい作品でした。

 そういう意味において、アニメ化もされたマンガ『ULTRAMAN』(原作:清水栄一、作画:下口智裕)は、私たちの知る『ウルトラマン』最終話から、地続きの世界が舞台です。

 主人公もハヤタ隊員の息子であり、当然ながらフジ隊員の「その後」も明かされます。本作において「フジ・アキコ」は、ウルトラマンが地球を去った後も、科学特捜隊に勤務した後、科学研究所の主任に就任しています。なお、この『ULTRAMAN』では、フジ隊員とハヤタ隊員は特別な関係には発展していません。

 ここまでみてきたように、フジ隊員役の桜井浩子さんと、ハヤタ役の黒部進さんの共演はたびたびありました。2005年放送の『ウルトラマンマックス』では、それぞれ別の役でレギュラー出演までしてくれています。でも、「フジ・アキコ」隊員、「ハヤタ」隊員としての「その後」を、もう一度、観てみたいと令和のいま、思う次第です。