
リーグ連覇どころか2位もDeNAに譲って、巨人は本拠地でのクライマックスシリーズ開催を逃してしまった。ベンチで腕組みして厳しい視線を送るのがデフォルトになった阿部慎之助監督は「切り替えてクライマックスシリーズに向けてきっちりやることをやっていきたい」と語った。終盤戦はチームがノッていけない状況が続いたことで、阿部監督による「選手への個人口撃」が急増している。およそ1カ月間の厳しい言動をまとめてみよう。
8月29日「日本の野球をナメるなって。アメリカの野球を僕がナメてるわけじゃないけど、細かいことができないと、日本では成功できない」(走塁ボーンヘッドのキャベッジに)
9月18日「あれじゃ捕手が何人いても、いつか死人が出るよ」(サインミスで岸田行倫捕手を負傷させた森田駿哉投手に)
9月23日「気持ちが切れちゃっているというか、集中力が欠けている。メンタルの部分」(大炎上の戸郷翔征投手に)
9月26日「大胆さに欠けている」(3回KOの山崎伊織投手に)
このほかにも井上温大らに、辛辣な言葉が投げかけられている。その結果、どうなったのか。
「若い選手が萎縮しています。試合後のメディアを通じた個人攻撃は、原辰徳前監督の得意技でした。記事を読んだ選手を叱咤し、復帰させる効果がありましたが、この令和の時代では逆効果になりつつある。もともと昭和型『パワハラ気質』の阿部監督ゆえ、若手選手はビビッてしまっている。山口寿一オーナーは阿部監督のやり方に不満を持っていると言われていますし、ベンチ内では『理論派』の桑田真澄2軍監督の方が、阿部監督よりも慕われています」(読売グループ関係者)
横浜スタジアムで臨むCSファーストステージをスカッと勝てば、阿部監督の個人攻撃は止むかもしれない。
(高橋裕介)

