何気なく開いた動画アプリ
その日、私たちはいつものように彼の部屋でくつろいでいました。付き合って2年になる彼とは、週末を一緒に過ごすのが習慣になっていたのです。「面白い動画があるから見よう」と彼がスマートフォンを取り出し、テレビに画面をミラーリングしました。動画アプリを開いた瞬間、ホーム画面に並んだ「おすすめ動画」のサムネイルが目に飛び込んできます。そこには、明らかに私の知らない趣味嗜好が反映されていました。美容系、恋愛相談、カップルの日常vlog。彼が普段見るようなゲーム実況や車の動画とは、まったく違うジャンルばかりだったのです。
コメント欄に残された痕跡
「あれ、これ誰かと共有してるアカウント?」と私が尋ねると、彼は少し慌てた様子で「いや、俺のだけど」と答えました。その反応に違和感を覚えた私は、何かに引き寄せられるように、ある動画のコメント欄を開きました。そこには、彼のアカウント名で書かれた複数のコメントが残されていました。「彼女とお揃いで買いました!」「うちも来月記念日なので参考にします」。日付を見ると、私との記念日とは違う月を指しており、内容も私との思い出とは一致しません。彼は何も言えないまま、ただ黙って画面を見つめていました。
