『探偵!ナイトスクープ』(ABCテレビ)に、三重県在住の女性(51)から依頼が届く。依頼者には大阪で芸人として頑張っている長男(25)がいる。芸人としてはまだ無名のため、バイトに明け暮れる日々を送っている。その長男から、祖母(依頼者の母・73)への金の無心が止まらない。「3万4000円振り込んで。これで最後にします」「3万6000円お願いします。すみません。本当に最後にするので」というお願いが続き、この5年間で祖母が振り込んだ総額は200万円を超えてしまった。このままでは依頼者と祖母の老後資金がなくなってしまう。祖母が長男に使い道を聞いても教えてくれず、ただただお金の要求をするばかり。そこで探偵に、長男が何にお金を使っているのかを調べてほしい。
間寛平探偵が依頼者と祖母への調査を開始する。祖母の携帯電話でLINEの履歴を確認すると、そこには長男・魁都との数々のやりとりが残っている。祖母が風邪をひいて寝込んでいるというのにしつこく食い下がり、5万円だった要求額が4時間後には6万1000円に増えている。どんなに断っても「これが最後」と頼み続ける長男の粘り腰に、探偵は「会いたなってきた」と半笑い。
祖母が魁都を甘やかしてしまう理由を明かす。4人きょうだいで一人だけ父親が違う魁都に対し、親にうまく甘えられなかったのではないかと不憫に思う気持ちから、お金を貸してしまうのだとか。もう貸すことはできないが、これからちゃんとしてくれるなら、今まで貸した280万円はチャラにしてもいいという。なんという祖母心!
そのためにも、貸したお金の使い道をはっきりさせたい。探偵はまず、ターゲットの相方・夢人(25)に接触。夢人と魁都は幼馴染で、現在大阪で一緒に暮らしながら、「野良犬」というコンビで活動中だ。
魁都の留守中に、探偵たちは“野良犬が住む家”を訪れる。魁都の部屋は依頼者たちが悲鳴をあげるほどの汚部屋で、金目のものは見当たらない。相方に聞き取りをしたところ、祖母以外からの借金、ドラッグ、ギャンブル、女性遊びは一切していないという証言を得た。とはいえ祖母から280万円も引き出すのはクズの所業ということで、クズ専門家・岡野陽一の力を借りることにした。
積もり積もった借金が現在1800万円あるという借金クズの岡野は、「これで最後、と言って何度も借りるのは、めちゃめちゃ普通のこと」と解説する。そして、カメラが回っているところで探偵が聞き出すのは難しいと予想し、野良犬が所属する事務所の社長と岡野が繋がっているという設定でのニセご飯会を提案した。
居酒屋に魁都が到着すると、岡野がさっそく「今日は何をしてたの?」と探りを入れる。すると、「諸事情というか……」という不穏な前置きを挟み、「映画を観てたんです」という答えがあった。「映画」は何かを隠すための嘘かもしれない。
夢人と社長が自然に席を外し、二人きりになったタイミングで本題へ。岡野が「クズ芸人を探している。友達のクズを紹介してほしい。借金があるとかでもいいんだけど」と罠を仕掛けると、魁都が「自分が祖母に借金している」とあっさり告白。金額を質問されて、トータルで「60〜70万円」と低く答える心理は、罪悪感から逃れるための、無意識の自己防衛なのかもしれない。
いよいよ魁都が借金の使い道を打ち明けた。それは、まさかの映画鑑賞代! 映像や音響のグレードアップのために追加料金を毎回支払い、必ずポップコーンも購入しているため、1回の映画代は4000〜5000円。月に15日は映画館へ行き、1日に3本ハシゴする日もあるため、月に10万円は映画に使っているという。魁都は「ギャンブルする人と一緒で、もうちょっとだけ、もうちょっとだけ」と映画に対する欲求を表現。これまでに観た映画の総数は約3800本! コンビ名は、巨匠・黒澤明監督の「野良犬」にちなんで付けたとか。そう、重度の映画オタクだったのだ。
探偵とカメラが突入し、岡野が魁都を「債権者様」のいるモニタールームへ連行する。ばあばからこれまでの借金の総額を聞かされ、目を丸くした孫は毎月8000円の返済を約束したが、果たして……?
特命局長の是枝裕和監督が、「いやあ〜、責めにくいなあ、これ。そんなに(たくさんの映画を)観てくれてありがとう、が最初ですね」と映画監督としての謝意を伝えたこのVTRは、6月5日に放送された『探偵!ナイトスクープ』で公開された。

