これから一人暮らしを始める人は、毎月の生活費がどれくらいになるのか不安に感じられますよね。
この記事では、総務省が公表する統計結果を引用して一人暮らしにおける生活費の平均をご紹介していきます。
また、平均を踏まえた上で独身者の理想の生活費や貯金額についてもまとめているので参考にしていただければ幸いです。
一人暮らし以外の人はこちらの記事で生活費の内訳を解説しているのでご参照ください。
一般的な生活費の内訳は? 家族構成別に見る一ヵ月の支出と家計の見直し方
一人暮らしの生活費の内訳
早速ですが、一人暮らしの生活費の内訳から確認していきましょう。
総務省が実施した家計調査の最新結果から、単身・勤労者世帯の人における生活費の内訳をまとめたのでご覧ください。
※34歳未満の単身・勤労者世帯における生活費内訳を記載しています
参照:「家計調査報告書」家計収支編2020年(令和2年)|総務省統計局e-Stat
上記の結果は、34歳未満の単身者における生活費の内訳で、男女ともに1か月あたりの平均生活費は15.2万円となっています。
ただし、注意すべき点として「住居費」は、お住いの地域や物件によっても大きく金額が異なります。
仮に都内のワンルームだと家賃が8万円前後が一般的です。
加えて、上記の表では住居にかかる費用が4万円前後となっています。
そのことを考慮した住居費で考えると、一人暮らしにおける生活費の平均はおおよそ20万円弱だと考えられます。
一人暮らし世帯における貯金額の平均
一人暮らしをするにあたって、将来を見越して貯金のことを視野に入れている人も多いでしょう。
金融広報中央委員会の情報サイト「知るぽると」によると、『2020年における年間手取り収入(税引き後)』は、20歳代で平均230万円、30歳代で平均300万円と公表されています。
また、同じ統計データから20代と30代の収入からの貯蓄割合を確認してみましょう。
※記載の金額は20歳代の年間手取り収入(税引き後)の平均値230万円と想定した場合の割合に対する金額です
参照:1.金融資産の状況等|各種分類別データ(令和元年)|知るぽると
※記載の金額は30歳代の年間手取り収入(税引き後)の平均値300万円と想定した場合の割合に対する金額です
参照:1.金融資産の状況等|各種分類別データ(令和元年)|知るぽると
上記データから、20代と30代ともに手取り収入に対して10~15%未満を貯金に回している人が多いことが分かります。
具体的な金額では、20代では年間23万円~34.5万円(1か月で19,167円〜28,750円)、30代では年間30万円〜45万円(1か月で25,000円〜37,500円)を貯金していることになります。
これから一人暮らしをする人は、年間収入の内の10〜15%を貯金に回せるように、日々の生活費を管理するといいでしょう。
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生活費の内訳
何も考えずに毎日を過ごしていると、手元のお金をついつい使ってしまって1銭たりとも貯金に回すことができません。
そこで重要なのが「一人暮らしをする中で生活費の内訳を項目ごとに把握しておくこと」です。
生活費を把握する上で抑えておきたい項目
家賃
食費
光熱費
通信費
日用品・理美容・趣味など
交遊費
医療費・保険代
初めて一人暮らしをする人は、必要最低限として上記の項目における生活費は把握しておきましょう。
それぞれの項目における平均額についてご紹介していきます。
家賃
一人暮らしにおける家賃の平均額は、男性が33,000円、女性が46,000円となっています。
女性の平均額が高めな理由は、防犯上の理由からオートロックなどのセキュリティ面がしっかりしている物件を選んでいることによるものと推測されます。
家賃は「固定費」と呼ばれる支出で、生活費の中でも特に大きな割合を占める費用です。
賃貸物件での家賃相場は収入の3分の1以内と言われており、さらに着実に貯金をしていくためには「全体収入の25%以内」に抑えるのが理想とされています。
たとえば、毎月の収入が30万円の人なら理想的な家賃は75,000円と計算できます。
なお、家賃の相場はお住いの地域や希望の間取りによって大きく異なりますが、都心部の場合はワンルームで80,000円前後の費用がかかることが一般的です。
郊外に出れば、同じ価格帯でもより広い間取りの部屋を借りることができるので、職場までの通勤のことなどを考慮して場所を選ぶのがおすすめです。
食費
一人暮らしの生活費のうち、家賃に次いで割合が多いのが食費です。
男性平均は約40,000円、女性の場合は約30,000円となっており、1か月でおよそ1万円の差があることがわかります。
食費を節約しすぎるのは非常に強いストレスになりえるので、外食は週1回程度に留め、基本的にはスーパーなどで食材を購入して自炊することで毎月の食費を節約できます。
光熱費
一人暮らしの生活費における光熱費の平均額は以下の通りとなっています。
水道光熱費は季節によって金額が大きく変動します。
たとえば、夏場や冬場はエアコンやストーブなどを利用する機会が多くなるので、通常よりも電気代が高額になりやすいことが挙げられます。
また、夏場はシャワーで入浴を済ませることも珍しくありませんが、冬場はゆっくりと浴槽に浸かりたいという人も多いでしょう。
そうなれば水道代がかさむことはもちろん、お風呂を沸かしたり追い焚きをしたりすればガス代もかかってきます。
こまめに電気を消す、シャワーを出しっぱなしにしないなどの細かな工夫で生活費を大きく節約できるようになるのでぜひ意識してみてください。
通信費
一人暮らしにおける通信費の平均は、男性が約10,000円で女性が約6,000円となっています。
ここでいう通信費とは、スマートフォンだけではなく自宅の固定回線(光回線、Wi-Fiのこと)も含みます。
これまでは大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)と契約すると毎月のスマホ代だけで1万円を超えることも多々ありましたが、格安SIMに乗り換えるだけで5,000円以上も通信費を節約できる場合があります。
また、固定回線においても、光コラボレーションと呼ばれるネット回線や、使っている携帯キャリアとのセット割がある光回線を選ぶなどの工夫をすることで料金を節約できます。
昨今では料金プランのシンプル化が進んでおり、大手キャリアでも月額3,000円程度で20GBまで使える新プランも登場しているので、一人暮らしをするのに合わせて通信費の見直しもしてみてください。
日用品代・理美容品・趣味など
日用品代や理美容品、趣味などにかける費用の平均額は以下の通りです。
日用品代としては、シャンプーやトイレットペーパー、洗剤類といった普段からよく使うものの購入費用が挙げられます。
上記には理美容品や趣味嗜好品にまつわる費用も含まれており、一般的に男性よりも女性の方が理美容品にかける費用が多いと考えられることから、平均額は女性の方が高めとなっています。
日用品などはコンビニなどでも購入できますが、価格が高めに設定されているため、可能であるならスーパーなどのタイムセールを狙って購入しておくことをおすすめします。
また、趣味にかける金額をはじめに決めておくことで、使いすぎを防ぐことができるので、ぜひお試しください。
交遊費
一人暮らしを始めると、知り合いや会社の同僚と飲みに行ったり遊びに行ったりする機会が増えることでしょう。
一度の食事代で5,000円前後の費用がかかることも多いので、1〜2週間に1回程度の頻度に留めるように意識することで生活費の節約に繋がります。
毎月の上限額を決めておかないとついついお金を使い込んでしまう人も多いので、あらかじめ上限額を決めておくようにしましょう。
医療費・保険代
一人暮らしにおける医療費や保険代は、男性の平均額が2,600円程度、女性の平均額は4,000円程度となっています。
季節の変わり目になると体調を崩してしまう人も多いですが、一人暮らしだと頼れる人が近場に住んでいるとは限りません。
もしものときに備えて薬を常備しておく、病気やケガが原因で働けなくなったときに備えて保険に入っておくなど、万が一の事態に備えてある程度の費用をかけておくのがベターです。
保険に加入する場合、大きく分けて「掛け捨て型」と「貯蓄型」の2種類に分けられますが、毎月の保険料が気になるのであれば価格が安めの掛け捨て型の保険に入るのがおすすめです。
将来を見越して保険料を積み立てたいという人は、貯蓄型の生命保険に加入することをご検討ください。