血圧を上げるホルモンの働きを抑える

梅干しには、血糖値の上昇を抑える作用もあります。「オレアノール酸」というポリフェノール(植物に含まれる色素や苦味の成分)には、血糖値を上昇させるα‐グルコシダーゼの働きを阻害する作用があることがわかっています。

高血圧を防ぐ効果も期待できます。梅干しは塩分が多いので、血圧を上げると思われるかもしれませんが、逆なのです。

これは、血圧を上げる作用を持つアンジオテンシンIIというホルモンの働きを抑制するためだと考えられます。私たちの研究では、梅干しはこのホルモンの働きを80~90%抑制することがわかっています。

このように、梅干しは肥満をはじめとする生活習慣病の防止に有用だといえます。

ですが、いくら体にいいといっても、食べ過ぎは禁物です。1日に3個程度にとどめるべきでしょう。それより大事なのは、継続的にとることです。1日1個の梅干しを毎日食べていれば、健康効果は十分に期待できるでしょう。

この記事は『安心』2021年6月号に掲載されています。

画像参照:https://www.makino-g.jp/book/b577728.html

※大阪河崎リハビリテーションの崎は立つ崎(たつさき)が正式表記