ミネラル不足の原因になる添加物も

コンビニ食のここに注意!
ミネラル不足になりやすい
「リン酸化合物」などの食品添加物が原因で、体内のミネラルが排出されやすくなる。味覚障害や免疫力の低下、精神の不調につながることも。

次に、食品添加物についてです。コンビニ食で使われている食品添加物の中には、ミネラルを吸着して排出するものもあります。

例えば、食品の色や品質を保つために添加される「リン酸化合物」。これは、「ポリリン酸Na」「ピロリン酸Na」「メタリン酸Na」などと表示されることもあります。

リン酸化合物は、加工食品の多くに添加されています。また、使用目的が同じ、他の添加物と一緒に表示されることもあります。どういうことかというと、「pH調整剤」「乳化剤」などの中に、リン酸化合物が含まれている可能性もあるのです。

こうした添加物によって、ミネラルが排出されると、心身にもさまざまな影響が現れます。

例えば、亜鉛不足になると、味覚障害や免疫力(病気に対する抵抗力)の低下、抜け毛、乾燥肌、性機能の低下などを招きます。鉄不足は、不眠や抑うつ、イライラ、疲労感、立ちくらみなどの原因にもなります。

コンビニ食のここに注意!
とり過ぎると病気の原因になる食品も含まれている
劣化しやすい加工油脂や果糖ブドウ糖液糖など、とり過ぎると生活習慣病などの原因になるものが使われていることも。

コンビニ食に使われる食品で注意すべきものは、これだけではありません。食品添加物の他にも、気を付けなければいけないものがいくつかあります。

一つ目は、パーム油などの加工油脂。安価なので多用される油ですが、これには劣化(酸化)しやすいという特徴があります。劣化した油は、高血圧や動脈硬化、脂質異常症、認知機能の低下などの要因になる上、環境破壊にもつながります。

加工油脂は、おにぎりのツヤ出しや、サラダにのっている輪切りの卵など、意外な商品にも使われています。そのためコンビニ食では、無自覚のうちに多くとってしまいがちです。

二つ目は、小麦粉。麺類やパンなどに使用されている小麦粉のほとんどは外国産です。しかし、これには発がんリスクの高い除草剤が残留しているものもあります。

三つ目は、果糖ブドウ糖液糖。砂糖より安価で、甘味料としてよく使用されている添加物ですが、動脈硬化や肥満などの生活習慣病のリスクを高める可能性があるといわれています。

コンビニ食のここに注意!
糖質過多になりやすい
コンビニ食生活を続けていると、おにぎりやパン、麺類などの糖質を多くとってしまいがち。この糖質のとり過ぎが原因で、カンジダ菌が変質し、腸内環境の悪化などを引き起こす可能性がある。

品揃えで見ると、糖質過多になりやすい食べ物が多いのも気になります。実際、おにぎりやパン、麺類などで簡単に昼食を済ませたり、お菓子をつい買ってしまったり、という人は多いのではないでしょうか。

糖質過多な食生活が続くと、腸内では「カンジダ菌」が変質します。通常のカンジダ菌は、かわいらしい丸型で、腸内ではほとんど悪さをしません。

しかし、エサである糖質が腸内に増えると、とがった形状に変化して腸壁に根を張ります。それにより、腸内で炎症を起こしたり、腸内環境を悪化させたりするのです。

また、別記事のマンガでは、100日間コンビニ食生活をした人の体験談があります。それによると、集中力の低下や胃の不快感、体臭の出が早いなどを感じたそうです。

メンタル面の不調は、ミネラルやビタミンなどの不足や、腸内環境の悪化が関係していると思われます。

胃の不快感や体臭は、腸内環境悪化に加え、劣化した油のとり過ぎによるものでしょう。特に加齢臭は、皮脂と過酸化脂質(酸化した脂質)が結びついて発生するので、これも関連していると考えられます。

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健康を損なわずにコンビニ食を活用するコツ

これまで、コンビニ食を食べる上での注意点を述べました。しかし、そうは言っても、コンビニ食を一切使わない生活が難しい人もいるでしょう。

そこで最後に、健康をできるだけ損なわずに、コンビニ食を活用するコツをお教えします。

パンよりもおにぎりを選ぶ

前述の通り、パンの多くには外国産の小麦粉が使われています。また、菓子パンなどは糖分も気になります。おにぎりには、食物繊維やミネラル豊富な雑穀入りのものもあるので、うまく活用しましょう。

海藻類やナッツ、卵をプラス

モズク酢や酢コンブなどの海藻には、コンビニ食で不足しがちな水溶性食物繊維やミネラルが豊富。抗酸化力の高いビタミンEやミネラル、たんぱく質が多く含まれるナッツや、余計な油脂がない殻付き卵などもお勧めです。

腸によい食材を意識する

ヨーグルトだけではなく、腸内細菌のエサとなる食物繊維が豊富なバナナなどを加えれば、腸内環境の維持に役立ちます。

その他、最終手段としては、サプリメントでビタミンやミネラルを補うのも、一つの方法です。マルチビタミンなどは、コンビニでも取り扱いがあるところが多いので、そういったものを活用してもいいでしょう。

何ごとも、過ぎたるは及ばざるがごとし。栄養面などにも気を付けながら、上手にコンビニ食と付き合ってください。

この記事は『安心』2021年5月号に掲載されています。

画像参照:https://www.makino-g.jp/book/b571058.html