更年期になると、いろいろな病気が心配になりますが、特にがんは気になる病気ではないでしょうか。なかでも女性なら、婦人科系がんは気になる病気の一つ。今回は、婦人科系がんのなかでも死亡率が高いことで知られる卵巣がんを紹介します。症状や原因、予防のポイントについて産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。

ハッキリした自覚症状がない

死亡率が高いことで知られる卵巣がん。その原因はハッキリした自覚症状がないことが大きいと駒形先生は言います。

「おなかが張る、トイレが近い、食欲がないといった症状が見られますが、これらはちょっとした体調不良でも起こることなので見過ごされることがほとんど。下腹部にしこりが触れるという症状があるときにはかなり進行してしまっていることが多いのが現状です。また、卵巣がんは転移しやすく、気付いたときにはほかの臓器などに転移していることも多いです」(駒形先生)

とても怖い卵巣がん。自覚症状が見られたときには遅い……というケースが多いということです。

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子宮内膜症が原因になることも

駒形先生によると、卵巣がんは若い女性にも見られますが40代から増加し、50~60代にピークを迎えると言います。原因はあるのでしょうか。

「親族に卵巣がんの女性がいる、子宮内膜症があるといった原因のほかに出産経験がない、閉経が遅い、初潮が早いなど排卵回数が多い場合も指摘されています」(駒形先生)

子宮内膜症と卵巣がんはどのように関係しているのでしょうか。

「子宮内膜症が卵巣に発生して嚢胞を形成するチョコレート嚢胞があると、自然発生の卵巣がんに比べて高い確率でがん化することがわかっています。子宮内膜症やチョコレート嚢胞は再発しやすいので、定期的に健診を受けてほしいと思います」(駒形先生)