腹筋が弱過ぎる人や反り腰の人は、腹筋運動をそのまま行っても、おなかの引き締め効果はあまり期待できません。理由は、多くの人が陥っている「骨盤の前傾」にあります。カエル足腹筋では、「運動連鎖」を利用して無理なく骨盤を後傾させるので、効率よく腹筋を鍛えられます。【解説】中川裕喜(Body Science代表)

解説者のプロフィール

中川裕喜(なかがわ・ゆうき)

Body Science代表。奈良県出身。学生時代から10種目以上の運動を経験し、2012年に日本人初となる、ドイツの日本大使館でのゲストダンサー出演を果たす。20歳で患った失声症や持病のけがをきっかけにストレッチ、ヨガ、西洋医学を学び、10年かけて克服。2016年に株式会社Body Scienceを設立し、けがの予防・改善や予防医療としての運動指導などを行う。近著『1分でみるみる細くなる! 激やせストレッチ』(KADOKAWA)が好評発売中。
▼バレエストレッチチャンネル(登録者数110万人)(YouTube)

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骨盤を後ろに傾けるのが効率のよい腹筋の秘訣

皆さん、こんにちは。私はYouTubeで「バレエストレッチチャンネル」という動画をアップしている、中川裕喜と申します。

私は普段、動画でのストレッチ指導の他、クラシックバレエの動きをベースにしたエクササイズを、主にマンツーマンで指導しています。

生徒さんの多くは、40~60歳代の女性。そのためか、指導の中で産後の体のゆがみや尿もれ、おなかのたるみなどに関する悩みをよく耳にします。

特に多いのが、腹筋に関する相談です。実際、「腹筋運動をしてもおなかが締まらない」「腰が悪く腹筋運動ができない」という声が少なくありません。

そんな人たちでも、簡単におなかを引き締められるエクササイズはないかと考えたとき、近年話題の「カエル足トレーニング」に注目しました。

カエル足トレーニングとは、その名の通り、足をカエルのように開いて行うトレーニング方法です(詳しいやり方は下項参照)。

腹筋運動にこのカエル足を取り入れれば、高い効果が期待できると感じた私は、さっそく生徒さんたちに勧めつつ、「フロッグ腹筋(以下、カエル足腹筋)」を動画で紹介しました。

すると、「簡単なのに効果が出る!」「腰が痛まない!」などの大きな反響を得たのです。

では、なぜカエル足腹筋にはそのような効果があるのでしょうか。その理由を、これからお話しします。
 

実は、腹筋が弱過ぎる人や反り腰の人は、腹筋運動をそのまま行っても、おなかの引き締め効果はあまり期待できません。理由は、多くの人が陥っている「骨盤の前傾」にあります。

腹筋が弱過ぎると、骨盤は正しい位置を保てずに前へ傾きます。これが骨盤の前傾、いわゆる「反り腰」の状態です。

このまま上半身を起こしたり、ひざを引き上げたりする腹筋運動を行うと、体の重みに耐えられず、腰はますます反り返ります。これでは腹筋をきちんと使えない上、無理に続ければ腰を痛めてしまいます。

つまり、腹筋を効率よく鍛えるためには、まず骨盤を後傾させる必要があるのです。

骨盤を後傾にすることで、効率よく腹筋を鍛えられる!

しかし、長らく骨盤が前傾したままの人は、この感覚を忘れてしまいがちです。そのため、骨盤を後ろに傾けようとしても、胸やひざだけが動いてしまい、肝心の骨盤はなかなか動きません。

そこでキーワードとなるのが「運動連鎖」。これは、一つの関節の動きが、別の関節や部位に連動する体の機能のことです。

例えば骨盤は、股関節を内側にねじると前に傾き、外側に開く(ガニ股にする)と後ろに傾きます。カエル足腹筋では、この機能を利用して無理なく骨盤を後傾させます。

つまり、カエル足腹筋では、股関節が外側へ開くため、運動連鎖でお尻やおなかの筋肉が締まり、骨盤が自然と後ろへ傾くのです。

この骨盤が後傾した状態で腹筋運動を行うことで、効率よく腹筋を鍛えられます。