日本では季節の変化を敏感に感じ取り、年中行事や習わしに添った植物を暮らしに取り入れてきましたが、この「二十四節気の花あしらい」では難しいルールにとらわれず、気軽に季節を感じられる花を楽しむテクニックを第一園芸で花に携わってきた谷中直子がご紹介いたします。

毎月、旬の雰囲気を楽しめる花をピックアップして、最後の一輪まで楽しみつくす、そんな花のあしらいのお話です。


2022年1月20日から二十四節気は大寒に

一年で最も寒い大寒のころ。年末年始のイベントラッシュもおさまり、心も体もリラックスを求めるようなそんな時節ではないでしょうか。

この時期からよく聞く「三寒四温」という言葉にもあるように、寒い中にもほんの少しだけ春の気配を感じる時です。そう大寒は冬の最後の節季。次は立春です!

そんな春を待ちわびる、寒さが苦手な私が選んだ花は「スイートピー」。

ひらひらと蝶が舞うような、フリルのようなかわいらしい花です。そしてスイートピーと言えば甘い香り!

この香り高いスイートピーで、寒さで疲れた体と心のバランスを整えたいと思います。

作りすぎず、無造作に、ふんわりいける

スイートピーをくるくる回して観察してみると、表と裏があることがわかります。

多くの場合、正面から見た時に花のボリュームがあるのが表、花の背面や茎が見えるのが裏です。

ボリュームよく仕上げたい時は表の向きを意識していけると良いでしょう。ただ日本の農家さんが作るスイートピーはどの方向からみても、花がまんべんなく付いている全方位美人タイプが多いので、あまり考えすぎず、空気を含んだようにふんわりといけるだけでも素敵に仕上がります。ちなみに私は裏から見たスイートピーのすっきりシルエットも大好きです。

花の長さは切り揃えても、ランダムに花がついているのでナチュラルに見えます。最初は花屋さんで買った長さを活かしてざっくりいけてみましょう。

スイートピーは花びらが薄く蒸れやすい花なので、空気が通るようにふんわりといけると、花一輪一輪がきれいに見える上に、花持ちもよくなるのでおすすめです。

繊細な花びらはエアコンの風も苦手。なるべく涼しい場所で、エアコンの風をさけて飾ってみてください。

もし、花瓶の中で下の方の花が水についてしまうようなら、もったいないですが、その花は切り取ってください。水についていると花も水も腐りやすくなります。(切り取った花のあしらい方は、下の方でご紹介しています。)

今回チョイスしたのは紫のスイートピー「スプラッシュブルー」。

白い花びらの上を藤色の絵具でサッと描いたような模様の花です。(色を吸わせている訳ではなく天然です!)そして香りも濃厚。

紫を選んだ理由はもう一つ、紫の色は深い思索を可能にし、創造力を高めるのに役立つ色。心を癒す効果もあると言われているとか。

スイートピーの色と香りのチカラを借りて、寒さで疲れた心と体をデトックスしてみようと思います。

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花材をプラスして春のはじまりを表現

スイートピーだけでも十分素敵ですが、スイートピーは主役にも脇役にもなれる花。

お手入れで短くなってきたら、花と枝ものを足してより春らしくイメージチェンジしてみましょう。

冬から春にかけての花壇の人気者「パンジー」と、ほころび始めた木の芽がかわいらしい枝もの「土佐水木(とさみずき)」を合わせて、これからやってくる春のうきうき感をお花で表現してみました。花の雰囲気とボリュームに合わせて、どっしりと温かみのある器に変更。

最初に枝もので大体の大きさを決めて、その足元にからめるようにスイートピー、パンジーを添えてみましょう。

かっちり作ろうとせずに、ナチュラルに。

左側に窓がある我が家に合わせて、光の方へ伸びていくようなイメージでいけてみました。