知っておきたい!更年期とLDLコレステロール上昇との意外な関係【医師監修】

人間ドックなどの健診結果にある「脂質代謝」。特に注意喚起がないとスルーしてしまうかもしれませんが、3年前、5年前と比べて増えている方もいるのではないでしょうか。基準値内であっても、年齢とともに増えていると心配になるもの。そこで、40代以降の更年期世代のコレステロール値はなぜ上がりやすいのか、産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。

脂質代謝とは?


駒形先生によれば、健診結果にある「脂質代謝」には以下のような項目があると言います。

総コレステロール(基準値140~199mg/dl)

HDLコレステロールとLDLコレステロール、中性脂肪の値から算出される数値。基準値から外れている場合は、何が原因になっているかに着目する。

中性脂肪(30~149 mg/dl)

中性脂肪は、食物摂取後に小腸で吸収され血液の中に入ってエネルギー源として使われます。皮下脂肪や肝臓の脂肪として蓄積されますが、増え過ぎると肥満、脂肪肝、糖尿病などの原因となり、悪玉のLDLコレステロールの増加につながります。

HDLコレステロール(40 mg/dl以上)

善玉コレステロール。余分なコレステロールを末梢細胞から回収し、肝臓に戻すのが役割です。

LDLコレステロール(60~119 mg/dl)

悪玉コレステロール。肝臓内のコレステロールを体中の末梢細胞に運ぶ役割があります。数値が高いということは、細胞に運ばれず血液中に残ってしまったコレステロールが多いということになります。取り残されたコレステロールが血管の壁にくっついて血流が悪くなり、動脈硬化を引き起こす原因となります。

nonHDLコレステロール(90~149 mg/dl

総コレステロールから善玉のHDLコレステロールを引いたもの。 血液中にはLDLコレステロールとは別の、さまざまな悪玉コレステロールがひそんでおり、それらを含めたすべての悪玉の量を表すのが、non-HDLコレステロールの値です。

脂質代謝とは、脂肪を分解する能力、機能を指します。更年期のころはこの脂質代謝が落ちる傾向にあります」(駒形先生)

(広告の後にも続きます)

更年期世代はなぜLDLコレステロール値が上昇する?


40代以降になると、コレステロールの中でも悪玉のLDLコレステロールが上昇しやすいと言います。それはなぜなのでしょうか。

「その理由を話す前に、知っておいてほしいのは、LDLコレステロールは少な過ぎても良くないということです。ある程度の悪玉がなければ、善玉のHDLコレステロールが機能しないからです。健診結果にある基準値内であれば、善玉と悪玉のバランスが取れているということになります。

さて、女性ホルモンのエストロゲンはコレステロールを材料に産生されますが、更年期になるとその量は減っていきます。

作られる女性ホルモンは減るのに、それまでと同じように脂肪の多い食事をとっていると、コレステロールが余ってしまいます。

脂肪の分解は主に肝臓でおこなっているのですが、

コレステロールが余ってしまうと肝臓にも脂肪がたまって、脂肪を分解する機能が低下してしまいます。その結果、善玉のHDLコレステロールが減って、悪玉のLDLコレステロールが増えてしまうのです」(駒形先生)。