「私はどうしたい?」乳がん発覚後、待ち受ける決断の連続に… #40歳独身で乳がんになりました 6

40歳独身で乳がんの告知を受けた、鳥野たみこさんの体験を描いた漫画を紹介します。

95%の確率で乳がんと告知され、今後の治療の進め方を先生に聞いた島野さん。「今後、私はどうしたいの?」と考えたときに思い浮かんだことは……。

「私はどうしたい?」乳がん発覚後、待ち受ける決断の連続に… #40歳独身で乳がんになりました 6

受診した病院は検診しかしていないため、今後治療をするにあたり、先生がいくつかの病院を教えてくれたのですが「私は地元に戻りたいです」と言いました。

「私はどうしたい?」乳がん発覚後、待ち受ける決断の連続に… #40歳独身で乳がんになりました 6

まだしっかり決意したわけではないですし、職場や家族と相談する必要があるけれど、仕事もリモートが続きそうだし、独身だし、実家で治療することも視野に入れて考えてみようと思ったのです。

とはいえ、地元は田舎なので、病院の選択肢の数や仕事のことを考えたら、今住んでいる町にいたほうが良いのですが。

「私はどうしたい?」乳がん発覚後、待ち受ける決断の連続に… #40歳独身で乳がんになりました 6

地元に戻りたいと思ったのは、「私はどうしたいの?」と考えたときに、15年ほど前に同僚から聞いた同僚のお父さんの話が脳裏に浮かんだから。

同僚のお父さんは、がんでもうダメかもしれないとなったとき、最後に故郷の景色を見たいと言っていたそう。

「私はどうしたい?」乳がん発覚後、待ち受ける決断の連続に… #40歳独身で乳がんになりました 6

同僚のお父さんのように、これが最後だと思っていたわけではありません。
ただ「自分がどうしたいか?」と前向きに考えたときに、地元の自然の中にいたいと思ったのです。

もしかしたら後悔する選択かもしれないし、何年かかけて自分が得てきたものを手放すかもしれない……。

でも、がん治療がどうなるか想像もつかないならば、「せめて自分が望む場所に身を置いて治療しながら生活したい」と思いました。

「私はどうしたい?」乳がん発覚後、待ち受ける決断の連続に… #40歳独身で乳がんになりました 6

自分の中にそういった思いはハッキリとあるのですが、それは現実的に可能なのかどうか……。
グルグルと考えてもすぐに答えが出るはずもなく、その後細胞検査をすることに。

先生からは「1週間後に検査結果が出るから、それまでに紹介先の病院を決めておいてください」と言われました。

「私はどうしたい?」乳がん発覚後、待ち受ける決断の連続に… #40歳独身で乳がんになりました 6

おこなった検査は針生検というもので、胸のしこりに針を刺して採取した細胞から、がんの有無やがんの性質を調べるもの。

私の場合は、悪性腫瘍であることが画像診断で確定しており、「顔つきが悪いがん」とも言われていたので、検査自体にドキドキ感はありませんでした。痛いことは痛いけれど、それどころじゃない……。

「私はどうしたい?」乳がん発覚後、待ち受ける決断の連続に… #40歳独身で乳がんになりました 6

検査が終わったら痛み止めの薬と次回予約の確認用紙をもらい、粛々と会計をして終了。


でも、外に出た瞬間「それで……。とりあえず……何からやれば良いんだろ?」と立ち尽くしてしまいました。

重い病気あるあるかもしれませんが、病気になっただけでもつらいのに、その後やってくる怒涛の決断の連続はつらいですよね……。手続きとかもしんどい。

私はなかなか我が強いタイプなので「自分はこうしたい! という気持ちは結構早めにハッキリしていて。でも、40歳独身という現実を生きている身なので「じゃあどうするんだ?」って……。

「ベルトコンベアーに乗って寝ているうちに、すべてが終わっていたら良いのに」って何度も思いました。

次回は、治療のために地元に戻るかどうかを決断したときのお話をします。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic副院長)

著者/島野たみこ(40歳)
2020年5月、40歳独身で乳がん告知。術前抗がん剤→右胸全摘手術→放射線治療を経て、現在ホルモン療法中。治療に苦しんだり人生に思い悩んだりしながら、手探りで得た経験をインスタで投稿中。Instagram:@tamireport