1茎に10〜15輪の花が連なって咲く姿が愛らしい

タイツリソウ
年々大株になるタイツリソウ。S.O.E/Shutterstock.com

芽が動き出すのが3月頃。ぐんぐん成長し、4月の終わりから6月にかけて花をつけます。

草丈は30〜60cm程度。多年草ですから年々大株になり、たくさんの花茎に10〜15輪ほどの花を吊り下げて咲くさまは見事です。花が咲き終わったら、茎の根元から切り取ってしまいましょう。あまり長い間そのままにしておくと、種子がついて栄養が奪われて株が弱ってしまいます。ある程度開花が進んだら、切り花としても楽しむこともできます。株が成長している3〜6月頃に肥料を与えてしっかり管理しましょう。秋が近づくと地上部の葉が枯れ込み休眠期に入るので、基本的に肥料は不要です。

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初心者にもおすすめの丈夫なタイツリソウの育て方

タイツリソウ
半日陰を好むカラーリーフ、ギボウシと共演するタイツリソウ。Habrus Liudmila/Shutterstock.com

育成環境

寒さには大変強いが暑さと強い日差しが苦手なタイツリソウ。午前中は日当たりがよく、午後には日陰になるような場所が植え付け場所、鉢の置き場所として適しています。

年々大株になるため、庭植えの場合は庭の前面ではなく、やや中段に植えると全体のバランスがよいでしょう。

建物の影や、落葉樹の下など明るい半日陰で、少し湿り気のある場所などもおすすめです。

夏は直射日光に当たると葉焼けを起こしてしまうため、日除けをするなど注意して管理してください。

土づくりと植え付け

タイツリソウの植え付け時期は、3〜4月、または10〜11月が適期です。その時期に苗を入手して植え付けましょう。

タイツリソウは水もちと水はけのよさの両方を兼ね備えた用土が適しています。

地植えの場合、20cmほど掘ってたっぷり腐葉土をすき込んでください。生育も水はけもよくなります。株間は20〜30cmほど。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土でも十分です。自分で配合するなら、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んだ土に少量のパーライトを加えた用土を使用します。根が深く伸びるため、底の深い鉢に植え付けることがポイント。その後は、生育状態をみながら、2〜3年に1回植え替えをして根詰まりを防ぎます。

タイツリソウの根はゴボウのような太い直根なので、どちらかというと、鉢植えより地植えにしたほうが花つきはよいでしょう。また、植え付けの際は根を傷つけないように注意しましょう。

水やりと肥料

タイツリソウ
水を好むワスレナグサと一緒に植えるのもおすすめ。Viktoria Reesman/Shutterstock.com

肥料は植え付けの際、元肥としてカリウムやリン酸を多く含んだ緩効性化成肥料か、牛ふん堆肥を土の中に混ぜ込みます。

その後は3月から9月にかけて、液体肥料を2,000倍程度に薄めたものを1週間に1回与えます。夏の間は3,000倍に薄めて与えたほうがいいでしょう。

地上部が休眠したら肥料は与えません。

水やりは植え付け時にたっぷり与えるのはもちろんですが、その後は土の表面が乾いてきたら水を与えてください。やや湿った場所を好むため、土を乾かさないように適度な湿度を保つのがポイント。

鉢植えの場合は鉢底から水が流れる程度にたっぷり与えます。

冬は休眠期に入りますが、水を与えないと枯れてしまうため、やや控えめに水やりしてください。

増やし方

タイツリソウは株分けか、挿し芽で増やします。

株分けは3〜4月または10〜11月の植え替えと同時に行います。根を傷つけないように注意して、根が自然に分かれているところで分けます。一つの株に、芽が3つ以上つくように分けるようにしてください。根の切り口は、放置すると雑菌が入る恐れがあるため、癒合促進剤や殺菌剤を塗って保護しておきます。

挿し芽とは、植物の一部を切り取り、発根を促して増やす方法です。新芽が伸びてくる春、3〜4月に元気のよい茎を3cmくらいの長さにカットし、1〜2時間水を吸わせた後に、肥料を含まない土か、挿し芽種まき専用土などに挿してください。

病害虫

タイツリソウは丈夫で病気にはほとんどかかりません。一方、害虫には注意が必要です。

3〜5月にかけてはアブラムシに注意。若葉や新芽の汁を吸うため成長に悪影響を及ぼします。大量発生しやすいため、見つけたら早めに殺虫剤を散布して駆除しましょう。

アブラムシは光り物が苦手とされるため、園芸用のシルバーテープなどで予防が可能です。

晩春から初夏、初秋の年2回ほどはヨトウムシに注意。ヨトウムシは昼は土の中に隠れていて、夜になると土の中から出てきて葉や茎を食い荒らす害虫。葉や茎を集団で食害するため、気付いたら葉が丸坊主になっていた、なんてこともあります。葉裏に大量に卵を産みつけるため、これが孵らないうちに葉ごと処分します。こまめに葉裏もチェックすること。