高齢者の後遺症リスクは高いと考えられる

さて、先ほど若い人に出やすい症状があるとお伝えしましたが、これによって高齢者に、「コロナ後遺症は若い人に多い症状だから、私は大丈夫」とは考えてほしくありません。

今回の調査対象は69歳以下のかただったため、70歳以上の高齢者と後遺症の関連については把握できていません。

しかし、海外を含め、これまで発表されているさまざまな研究を見ると、高齢者に後遺症が多いという見解が有力です。イギリスの著名な科学誌『ネイチャー』に掲載された論文では、高齢であることは、後遺症のリスク因子であると報告されています。

もともと高齢者は、新型コロナにかかった場合、重症化しやすい傾向にあります。また、新型コロナの重症度が高ければ、後遺症が出やすく、注意が必要なのです。

これらの点を総合すると、高齢者は後遺症の出るリスクが高いと考えられます。

また現在流行中のオミクロン株による後遺症がどのようなものか、現時点(取材は2022年1月中旬)ではまだわかりません。しかし、たとえ急性期症状が軽症であっても、後遺症により苦しんでいるかたが多くいることが、今回の調査で明らかになっています。

今後も、すべての年代のかたに、日々の感染対策を続け、新型コロナの罹患を防ぐことを心がけてほしいと思います。

この記事は『壮快』2022年4月号に掲載されています。

画像参照:https://www.makino-g.jp/book/b600244.html