田丸有子

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。

手紙で気持ちを伝えよう!

新緑が一段と濃くなり、初夏の陽気となってきました。
お変わりなくお過ごしでしょうか。

仕事柄、文具店の手紙アイテムのコーナーはいつもチェックしています。大手メーカーの手紙アイテムは季節ごとに新製品が出ますから毎回楽しみでワクワクします。一方で、街の小さな雑貨店や文具店の品揃えにも注目しています。こだわりを感じさせる商品は大手の文具店では目にすることのないものも多く、お気に入りを見つけた時、地元の駆け出しの作家さんのものだったりするとお宝を発見したような気持ちになります。大量生産されていない、そこでしか手に入らない、その時しか手に入らない。そのようなレターアイテムで好みのものが見つかった時は本当に仕合わせな気持ちになりますね。

文通をしていると、相手がどんなレターセットを使って手紙を書いているのかとても気になります。こういう感じが好みなのね、とか、私の好みに合わせてくれたのかしら、など、便箋1枚でも想いを巡らせる時間が楽しいのです。大手メーカーのレターセットやポストカードは相手によってはお互いに同じものを使う確率が高くなってしまいます。それはそれで良いのですが、たまには相手が知らないもの、きっと見たことがないに違いないデザインのレターセットで手紙を書いて面白がらせたり、驚かせたりしたいという気持ちにもなります。最近はそんな時に使えるレターアイテムを探して情報収集し、小さなお店巡りを楽しんでいます。

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手紙トピック

東京・江古田の古本屋さんに行った時、前から読んでみたかった木下綾乃さんの『切手な北古賀』を見つけ、すぐさま購入しました。主人公の北古賀さんは切手を中心に人生が回っている人。切手蒐集家ならではの“あるある”が短い言葉でユーモアたっぷりに語られています。素朴なイラストがアナログで穏やかな雰囲気を捉えており、心が和みます。切手蒐集していない人にはハテナも浮かぶかもしれませんが、お好きな方にはそれぞれのページがツボに入るはず。私のような初心者には学びもありました。切手商を営むおじいちゃんのエピソードは涙なしには読めません! 思った通りの素敵な絵本だったのでぜひ読んでみてください。