指の動作も、頸椎から伸びる神経によって行われるため、指を酷使すれば頸椎にも疲労がたまり、さまざまな不調が起こります。特に、疲れ目などの目の症状、鼻づまりなどの鼻の症状、耳鳴りやめまいなどの耳の症状が出やすくなります。その神経の中継地点にあたるひじを温めることで、頸椎の力が抜け、神経の疲れを取ることができ、不調もよくなっていきます。【解説】舟木進(自律神経整体院院長)

解説者のプロフィール

舟木進(すなき・すすむ)

自律神経整体院院長。1973年、大阪府生まれ。30歳からリラクゼーションマッサージの世界に飛び込む。明らかにがんを患っている患者から肩こりの相談をされた際、適切な助言ができるようになるために整体の道へ。「医とは医無きをもってよし」を信条に、生を全うする「全生」という生き方ができるよう、施術に取り組んでいる。
▼自律神経整体院

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「ひじ湯」とは

体の疲れが取れて頭の回転も速くなった

半身浴や足湯などの「部分浴」が体によいことは、広く知られています。これらは、体の一部を温めることで体全体を効率よく温められるという、優れた健康法です。

特に、体の一部に偏った疲労があり、全身のバランスがくずれている人にこそ、部分浴がお勧めです。こういった人は、湯船に浸かっても体温がうまく上がりません。入浴中は温かく感じても、お風呂を出たとたんに体が冷えてしまいがちです。

そんな人が部分浴を実践すると、比較的効果が出やすいはず。中でもお勧めなのが、「ひじ湯」という、おけなどの容器に熱めのお湯をはって、ひじを浸す方法です。

私がひじ湯のよさに気づいたのは、8年ほど前。当時の私は、指の疲労を強く感じていたこともあり、どのようにケアすれば体の疲れが抜けるかを研究していました。

そのときに確かな効果が感じられたのが、ひじ湯でした。これを実践したところ、指の疲れだけでなく、他の症状にも効くことを実感したのです。

後に説明しますが、指と肺には深い関わりがあります。そのため、指が疲れると、呼吸が浅くなることも多いのです。実際当時の私も、呼吸の浅さが気になっていました。

しかし、それがひじ湯によってよくなりました。指の疲れが抜けるとともに、深い呼吸ができるようになったのです。

さらに、次のような顔周りの不調もひじ湯で改善しました。

鼻づまり

鼻がつまっていたある日、5分ほどひじ湯をしてみたことがあります。すると、鼻の通りがよくなり、体がスッキリと軽くなりました。

疲れ目

ひじ湯をすると、視界が明るくなり、周囲がよりクッキリ見えるようになります。

頭の働き

私は、ブログなどで情報を発信していますが、たまに全く文章が書けない日があります。そんなときにひじ湯をすると、言葉が頭に浮かんで、スラスラ文章が書けるようになります。