側頭骨の歪みを正す「耳穴ひねり」とは

側頭骨のゆがみをチェックする方法

耳穴ひねりは、この側頭骨のゆがみを、自分で正すことを可能にします(やり方は下項参照)。まずは、自分の側頭骨のゆがみ方を確認しましょう。

両手の中指を合わせて、親指や人差し指が手前にくる側を、耳の穴が前方にねじれている側として判定します。中指を合わせたとき、親指や人差し指が手前にくるのは、前腕(手首)が内側にねじれるためです。

したがって、指の位置の左右差がわかりにくいときは、前腕が内側にねじれる側を耳の穴が前方にねじれている側とします。前腕が外側にねじれる側を、耳の穴が後方にねじれている側とします。わかりづらい場合は、後ろから他人に見てもらうのもよいでしょう。

ゆがみのチェック方法

チェック例

上の写真のように、右手の親指と人差し指のほうが手前にある(右の前腕が内側)場合
→右の耳の穴が前方にねじれているタイプ

左手の親指と人差し指のほうが手前にある(左の前腕が内側)場合
→左の耳の穴が前方にねじれているタイプ

耳穴ひねりは、両手の人差し指を耳の穴に入れますが、その際は力まかせに行わないようにします。指を入れて軽くひねり、ふた呼吸程度したら、指をスポンと抜いてください。

耳穴ひねりを行うタイミングに、特に決まりはありません。疲労を感じたときに行えば、頭がスッキリして、視界も明るくなるでしょう。

嚙み合わせが悪い人は、就寝中に歯ぎしりをしていることが少なくありません。朝起きてすぐに行えば、あごの緊張を和らげることができます。1日に何回行ってもかまいませんが、連続して何回も行うのは避けてください

マスク頭痛やドライマウス対策にも有効

近年、マスクをする機会がとても増えました。生活に欠かせないといってもよいでしょう。

マスクのひもを耳にかけている間は、常に耳が引っ張られます。ささいな力でも、長時間にわたり力が加わることで、側頭骨のゆがみや側頭筋の過緊張につながります。

マスクを長時間つけざるを得ないときも、合間に耳穴ひねりを行うといいでしょう。特にマスク頭痛はクセになりやすいので、早めに対処するに越したことはありません。

また、マスク頭痛に悩む人は、ドライマウスに悩んでいることも少なくありません。その対策としても、耳穴ひねりは有効です。

このコロナ禍を乗り切るため、耳穴ひねりを有効に活用してください。

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耳穴ひねりのやり方

耳の穴をひねるときは息を吐きながら、指を抜くときは息を吸いながら行う。
耳の中を傷つけないように爪は短くし、指を耳穴の奥まで入れ過ぎないように気をつける。
事前によく手を洗う。
1日に何回行っても、いつ行ってもOKだが、連続して何回も行わない

前項のチェック方法を参考に、自分のゆがみ方を確認する。

両手の人差し指を耳の穴に入れる。

左の耳の穴が前方にねじれているタイプの場合は、右の人差し指を後ろに、左の人差し指を前にひねり、ふた呼吸おいてから、両方の指を一気に抜く。
右の耳の穴が前方にねじれるタイプの場合は、左右のひねり方を逆にする(写真の矢印は左の耳の穴が前方にねじれているタイプのひねり方)。

この記事は『壮快』2022年4月号に掲載されています。

画像参照:https://www.makino-g.jp/book/b600244.html