認知症の予防と進行を防ぐリハビリとは?家でもできる実践方法をご紹介

高齢化に伴い認知症を発症する人口は増え、認知症の方をご家族にもつ介護者も増えており、多義に渡る悩みを抱える方はたくさんいます。

また、いつか自分の親も認知症になるのでは・・・いや、自分もいつかは・・・と不安になったことがある方は少なくないと思います。

そこで、「認知症を予防したい」「認知症の進行を防ぎたい」「認知症のリハビリについて知りたい」という方のために、認知症の予防と進行を防ぐリハビリについて、家でもできる実践方法をご紹介します。

この記事を読み、今日から早速、認知症予防のリハビリを実践していきましょう。

1.認知症の予防と進行を防ぐリハビリとは?

認知症の中核症状には「記憶障害(忘れてしまう)」「見当識障害(日にちや場所がわからなくなる)」「言語障害(言葉が出にくくなる)」「実行機能障害(複雑な物事を行えず、同時に2つ以上の事をこなせない)」などがあり、それに伴って生じる「BPSD(焦り、興奮、不安、大声、引きこもりなど)」があります。

それぞれの症状に効果的なリハビリがあり、取り組むことで認知症の予防と進行防止に繋がります。

また、「軽度認知障害(MCI)」という、軽い認知機能低下が生じた状態も存在し、進行を防ぐためのリハビリはとても重要となります。

ここでは、認知症の症状の中でもADL(日常生活の動作)やQOL(生活の質)に影響の大きい「記憶障害」「実行機能障害」「BPSD」に対するリハビリについてご紹介します。

◉「見当識障害」の症状とリハビリについてはこちら

〈内部リンク〉見当識障害は認知症の症状の一つ | 3種類別の対応から治療法まで解説

◉「言語障害」の症状とリハビリについてはこちら

〈内部リンク〉言語障害って?種類や対処法、失語症・構音障害についても詳しく解説!

◉「軽度認知障害(MCI)についてはこちら

〈内部リンク〉軽度認知障害(MCI)とは?特徴的な症状と受診方法や対策を紹介

◉「認知症予防のまとめ」についてはこちら

〈内部リンク〉認知症予防はできる|今日からできる食事や運動、脳トレまとめ

◉「ADL(日常生活動作)」についてはこちら

〈内部リンク〉ADL(日常生活動作)とは?基本的な知識や予防法を解説

◉「QOL(生活の質)」についてはこちら

〈内部リンク〉高齢者のQOLとは?QOLを高める4つの方法と3つの注意点

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2.記憶障害のリハビリ

認知症の記憶障害は、「新しいことが覚えられない」「覚えたのに思い出せない」という特徴があります。

最近のことは思い出せないけれど、昔のことは覚えているという認知症の方は多いです。

残念ながら認知症は進行していく病気なのですが、少しでも記憶力をアップし、思い出せることが増えるように、記憶障害のリハビリを3つご紹介します。

〈内部リンク〉記憶障害は認知症の中核症状!~記憶障害の種類から対応まで解説~

2-1.有酸素運動を行う

有酸素運動を1年間行ったら、記憶に重要な「海馬」という脳の部分の容量が増えたことが報告されています。

また、有酸素運動と脳トレを組み合わせて行う「コグニサイズ」により、記憶機能が改善したことも報告されています。

つまり、有酸素運動を続けて行うことは、記憶力アップのために効果的であると言えます。

〈内部リンク〉認知症の転倒予防にはコグニサイズ!注意力を鍛えて万全の対策を

〈引用文献〉認知症予防のための運動療法

〈引用文献〉Effect of cognitive and aerobic training intervention on older adults with mild or no cognitive impairment: a derivative study of the nakajima project. 

2-2.メモリーノートを使う

メモリーノートとは、1日のスケジュール管理や行動の振り返りを行うノートです。

書くことを忘れてしまう場合は、アラームを活用することが有効です。

記憶障害によってスケジュール通りに行動できないなど、日常生活に支障をきたしてしまう場合に使用することが勧められています。

メモリーノートを使うことで、持ち物を忘れたり薬を飲むのを忘れるのを防ぐことができ、自分の行動を見返すことができます。

メモリーノートは、自分で記憶障害をいくらか自覚している場合に有効であると報告されています。

そのため、軽度認知障害(MCI)では積極的に使うことをお勧めします。

◉メモリーノートの無料ダウンロードはこちら

〈外部リンク〉茨城県高次脳機能障害支援センター>高次脳機能障害支援ツール

〈引用文献〉認知症とリハビリテーション〜記憶障害のリハビリテーションの経験から〜

2-3.ラベル貼りなどの環境対策を行う

物を無くしたり置き場を忘れてしまって部屋が散らかったり、電化製品の使い方がわからなくなったりすることは、認知症の記憶障害によくある症状です。

よく使う物や整理整頓が必要な物には、ラベルを貼って分かりやすくしておくことが効果的です。

また、電化製品のスイッチ、例えば洗濯機のボタンなどにも、押す順番の数字をラベルで貼っておくことにより、操作を間違うことがなくなります。

〈外部リンク〉日本作業療法士協会>認知症のリハビリモデルに基づく生活行為を続けるためのヒント集