文具のとびら編集部

本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、子どもたちが勉強に使う文房具を取り上げました。どれも、他にはないとてもユニークな機能を持ったアイテムばかりです。

第1回目はレイメイ藤井の「先生おすすめ 魔法のザラザラ下じき」です。

(写真右からきだてさん、他故さん、高畑編集長)*2021年11月9日撮影
*鼎談は2022年4月26日にリモートで行われました。

このザラザラがクセになる!? 正しい文字を書く力を育てる下敷き

下敷き1.jpg「先生おすすめ 魔法のザラザラ下じき」(レイメイ藤井) 子どもたちが鉛筆を思い通りに動かし、正しい文字を書く力を育てる学習サポート下じき。下じき表面に細かいドット加工を施しており、筆記時にザラザラと手指に伝わることで、頭の中にイメージした文字と手指の動きが一致し、イメージ通りの文字が書けるようになる。幼児〜小学生(低学年)向けの0.6㎜ドットタイプと、小学生(低学年)〜小学生(高学年)向けの0.3㎜ドットタイプの2種類のラインアップ。また、ノートに最適なB5サイズとプリントやドリルに最適なA4サイズを用意している。税込660円~825円。

――今回は、勉強系文具を3つ取り上げてみました。まずは、「魔法のザラザラ下じき」です。

【きだて】これがさ、「めちゃめちゃいいね!」という話をしたいんですよ。

【他故】うん、いいね。

【高畑】きだてさんは絶対に「いいよね」派だよね。

【きだて】実のところ、この手の「書きやすさアップ系」の下敷きって、使ってみると意外なほどに効果が感じられるんだよね。

【他故】ほう。

【きだて】ザラザラなことによって、とりあえず直線がめちゃめちゃ引きやすい。

【他故】真っ直ぐ引けるんだ。

【きだて】字の下手な人って、まず直線が引けないんですよ。線を引いていると、上にハネたり、下に曲がったりするんだけど、これを使うと“漢字の一画”としての線がとても書きやすい。

【高畑】うん。

【きだて】これは、字がきれいな人は、あんまり体感できないと思う。

【高畑】ザラザラ系のほかにも、柔らかい沈む系の下敷きがあるじゃない。きだてさんは割と、「ジェットストリーム」とか「ビクーニャ」とかは滑り過ぎる派だけど、ザラザラ系を使うと、思ってるよりも先に滑るのがなくなるよね。

【他故】あ~そうそう。分かる、分かる。

【きだて】柔らかい系も滑り過ぎないというのは同じなんだけど、直線引くときのメリットがあんまり出ないんだよ。

【高畑】直線か、へぇ~。

【きだて】線が整うという効果は、柔らかい系にはないのよ。

【他故】そうか、そうだね。

【きだて】なので、僕的にはザラザラ系が好き。

【高畑】表面がもっと細かくザラザラしているやつがあるじゃない。これって、あからさまにザラザラというか凸凹じゃん。

【他故】ボコボコだよね。

レイメイ1.jpg

【高畑】柔らかいとかザラザラのは、基本手で感じるのは平面なんだけど、抵抗感みたいなのをこれまでは思ってたんだけど、この下敷きは線を引くとあからさまに「ガガガガ」という感じがあるじゃない。段差の上を乗り越えていく感じというか。

【他故】うん、あるね。

【高畑】それが新しいというか。

【きだて】それがいいのよ。

【高畑】直線が描きやすいというのは、今まで自分の中になかったので。

【きだて】この凸凹をなぞっていくときにクリック感の連続になるじゃん。

【他故】そうだね。

【きだて】線を引いていくと、「ボコッ、ボコッ」って永遠にクリック感が指先に続くじゃない。それを意識して、線が真っ直ぐになるという効果もあるし。無意識に雑な線を引かなくなる。

【高畑】それはあるね。「ここを進んでますよ」的な感じを、わざわざ地面から感じる部分はある。

【他故】自分が線を引いてるなという感じがあるから、滑りすぎるという感覚はなくなるよね。ピタッと止められるというか。

【高畑】止められるというか、むしろ意図を持って進めていないときは止まってるよね。

【他故】「あー」っていう線がないというね。

【きだて】鉛筆とかシャープペンを使うと如実に分かるね。

【高畑】基本的には、これ鉛筆用だよね。ボールペン用ではないというか。鉛筆でガシャガシャガシャってやると、フロッタージュだっけ、10円玉でよくやるやつだよね。

【他故】ボコボコは出るよね。

【きだて】このレベルなら出るよ。

【他故】でも、そういう意味ではやっぱりこれは字を書く用だよね。

【きだて】間違いない。

【高畑】字が上手くなるための練習用の下敷きという立ち位置じゃないですか。作品を書いたり、手紙を書くときに使うかどうかはともかくとして、普段から意識しながらちゃんと書きましょうねという感じなんだろうね。

【他故】そういうことだろうね。筆圧がない子でも運筆ができるようになるというのが狙いなんでしょ。

【きだて】ということなのかね。

【他故】俺はこの製品をちゃんと知らなかったんだけど、商品パッケージを見ると、0.3㎜ドットと0.6㎜ドットの2種類あるんだね。

【きだて】あっそうなの?0.3㎜ドットの方しか把握してなかったや。

――そうですね。0.6㎜の方が低学年用ですね。0.3㎜は低学年から中学生までですって。

レイメイ2.jpg【高畑】ドットが粗い方が「ドットライナー」的な感じで。

【他故】僕の手元にあるのは0.3㎜ドットと書いてあるから、細かい方だと思う。これよりボコボコの0.6㎜というのがあるんだなと思って。

【高畑】粗い方のドットで書くとフロッタージュ感が出るよ。

【他故】ああ、そうだろうね。

【高畑】0.6㎜ドットは、当然だけど凸凹感が大きくなる。だから、書いているときの感覚が、滑る感じがなくて、凸凹しているところにすごく当たってる気がするんだよね。

【きだて】0.6㎜も試してみなくちゃな。

【高畑】そこは試してみた方がいいと思う。だいぶ違うっちゃ違う。

【他故】この写真だけ見ると、ザラザラ下敷きがあるのとないのとの差が面白いよね。ザラザラ下敷きじゃないと途中から雑な文字に、と書かれちゃってるけど。何か、上手く書けるというか集中して書けるのかな。

下敷き4.jpg【高畑】これがどこまでかというと、そりゃ意識して書いちゃうよね。

【他故】そりゃ、ボコボコしている分だけね。

【高畑】ここに載っている写真をよく見ると、文字がメッシュなんだよね。

【きだて】あーはいはい。凹凸を拾っちゃってる。

【高畑】だから、鉛筆で書くと結構メッシュになるんだよね。

【きだて】確かに、柔らかい鉛筆で書くとこうなりそうだな。

【他故】メッシュになってるのって、0.6㎜ドットの方なんじゃないの?

【高畑】多分、0.6㎜ドットだと思うけど。

【きだて】0.3㎜ドットだと、さすがにここまでにはならんわ。

【他故】うん。実際に書いてみても、ここまではならない。

【高畑】0.6㎜だと結構ボコボコするよ。イラストレーターの人がわざとそういう風に描く線みたいに見えたりもするよ。

【他故】本当だ、ボコボコしてるね。

【高畑】思ってない方向に滑るというのがなくなるから、自分が思ったように意図して進めて、思ったところで止める、というのをする練習なんじゃないのという気はするね。

【他故】そうだね。

【きだて】しかしこれ、筆圧の強い人が0.6㎜ドットを使うと、若干手が疲れそうだな。ボコボコを乗り越えることで。

【高畑】滑らかで楽というのはないからね。

【他故】そうだね。あとは、鉛筆の減りがめちゃめちゃ早そうだね。

【きだて】あ~、それはヤスリかけてるのに近いからね。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】元々書いているのが文字の練習帳だから、結構大きい文字で書いてるけど、そのぐらい大きくなると波線みたいな表現になるんだよ。

【他故】0.3㎜でも、それなりに濃い鉛筆で書くと、網点スクリーンみたいな字になるね。

【高畑】ドットが小さいとスクリーンみたいになるんだよね。ドットが大きいと、スクリーンの網がでかいので、表現上は波線みたいになる感じ。

【きだて】古印体のフォントみたいになってるよね。

【高畑】ただ、制御している感というか、自分で思ったように書いている感がある。あと、ペン先が紙に接しているところからのフィードバックが、大げさに多いじゃん。自分が書いている状態を把握するために、それはいいのかもね。

【他故】「今、俺は書いてるぞ」という認識が強くなるよね。

【きだて】紙からのフィードバック情報が増えるので、その辺も大きいね。「ビクーニャ」とか使ってもちゃんと止められるから、すごい面白い。

【他故】ははは(笑)。

――超なめらかボールペンでもいけるという。

【高畑】ボールペンで書くのはどうかとは思うけど、ボールペンで書いてもそうだということだよね。

【きだて】うん、全然いけるね。

【他故】なめらかボールペンのなめらかをキャンセルするための。

【きだて】なめらかキャンセル。

【他故】ジェットキャンセラーだ。

――きだてさんは、0.6㎜ドットの方がいいのかな?

【きだて】どうだろう。使ってみないと分からないので、ひとまずいま注文してみた。

【高畑】多分、真っ直ぐ書けるというところを超えてくるところがあるんじゃないかという気がする。

【きだて】そんな気がするね。

【他故】多分、0.3㎜の方が実用的だと思うぞ。

【高畑】大人が書く分にはそうだよ。大人は12マスの練習帳には書かないから。

【きだて】小学校低学年の頃の感覚は憶えてないので、0.6㎜ドットを使ったらどういう感じになるのかちょっと分からんな。

【高畑】紙との相性もあるよ。

【きだて】それはあるな。

【高畑】紙の厚みとかクッション性があるなしでも、ちょっと変わってくる感じがする。さっき見せたのは薄い紙で書いたので、すごい拾うんだよね。

【他故】紙としては、想定してるのは学習帳とかでしょ。

【高畑】そうだね。学習帳で鉛筆というのが想定されているベースではあると思うので。ただ、そういうことは置いといて、書いている手触りが気持ちいい。

【他故】ああ、分かる。

【高畑】特に、鉛筆やシャープペンで書いているときの手触りが気持ちいいね。ザラッとしているところを進んでいく気持ちよさがあるよね。

【他故】きっと、こういうのにも名前があるんだろうね。何にでも名前があるという(笑)。

【きだて】ははは(笑)。

【高畑】今までだと、なめらかさの話はするけど、適度な抵抗感についての語彙が必要だよね。

【他故】まあね。ザラザラだと悪い事にも聞こえるからな。

【高畑】ただ、ザラザラというほどは硬くないんだよね。断続的な抵抗感はあるんだけど、だからといってドライな感じというか、ヤスリの上のザラザラ感とは違うだろうし。

【きだて】エッジーじゃないというかね。曲線の集合体を乗り越えている感じなので。

【他故】はいはい。

【きだて】うーん、難しいね。言語化しにくいな。

【他故】ザラザラじゃないよな。

【高畑】軋む感じはしないんだよ。

【きだて】それは全然ないね。スルスルとポコポコの間という感じなんだけど。

【他故】こういうのがすぐ出てくると、この製品の特徴がすごく出る気がするよね。

【高畑】これ「魔法のザラザラ下じき」って言ってるけど、ザラザラというか、この独特の感覚を上手いこと言いたいよね。そこは、ライターのきだてさんが上手いこと見つけてくれたらいいと思うけど (笑)。

【きだて】見つけたとしても、ここでは言わないで原稿に書くよ。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】新しい触感ではあるよね。リアルな筆記具の世界は、どっちかというとこういう触感を楽しむ方向にありたいわけじゃん。書くのが楽しいのはいいんじゃない。

【他故】いいよね。久しぶりに楽しく書けたしな。

【きだて】手触りの気持ちよさだけじゃなくて、俺にとっては字がきれいに書けるという喜びもあるわけよ。

【他故】そこが大きい。

【高畑】それが一番の目的だからさ。きだてさん的に、一番字がきれいに書けたときの筆記具って何?

【きだて】シャーペンでサカサカ書くぐらいがちょうどいい感じかなぁ。でも、基本的にはボールペンでもなんでも線がスパッと決まるのが気持ちいい。

【高畑】なるほど。

【きだて】なので、A4の下敷きを半分に切って、普段のノートで使おうかなと。

【高畑】A5の下敷きがないんだよね。

【きだて】A4とB5しかないので、A5用に半分に切って作るわ。

レイメイ3.jpg

A4とB5の2サイズ

――大人でも使えますかね?

【きだて】全然使っていいと思う。大人の悪筆の方がコンプレックスが強いので。

【高畑】それはある。

【きだて】このコンプレックスによって、手書きをしなくなる人がなんと多いことか、という話もあるので。そういう人を手書きに呼び戻すためには、こういう工夫もアリだと思う。

【他故】レイメイもさ、これがちゃんと売れたら、大人用にA5とB6を出してほしいんだよ。

【きだて】そうね。

【他故】カラーリングもうちょっと渋くしていいから、同じもので構わないので。

【高畑】手帳用みたいな感じだよね。

【他故】そうそう。B6欲しいんですよ。ここでのブームから、B6ヨコをずっと使うようになってしまって。B6の下敷きが欲しくて仕方ないの。

【きだて】とりあえず、しばらくは切ってしのうごうぜ(笑)。

【他故】手元にB5があるから、半分に切るよ。

【きだて】レイメイも「ダ・ヴィンチ」用を出せばいいのにね。

【高畑】うん、そうね。それで、0.6㎜ドットの方は、実用品というよりは「アスレチックやってます」みたいな面白さの方が先に来る感じかな。凸凹が大きいので、書いた線が普通の鉛筆で書いた感じにならないので。誰かに渡す手紙をこれで書くのは粗いかなという感じはするので。むしろ、それを作品にしちゃうのはアリだと思うので。

【他故】ああそうね。

【高畑】ちょっと特殊な感じというか。Illustratorとかでさ、ペンツールにエフェクトがかかるやつがあるじゃない。線がかすれるやつとかあんな感じ。それはそれで面白いけどね。

【きだて】なんか、クレヨンブラッシュみたいになるよね。

【高畑】うん、それみたいな感じになる。

【他故】あ~、万年筆で書いても面白いな。

【高畑】万年筆か。それは考えたことなかったな。

【他故】このザラザラの感じって、万年筆でも面白いわ。

【高畑】なめらかなのか、そうじゃないのか。ペン先の感じが変わってくるね。

【他故】うん。万年筆だとしても、先っぽの処理とかで書き心地が変わるんじゃないかな。

【きだて】やっぱり、ペン先のチップの硬さが重要だな。今、フェルト芯のマーカーで書いたら、何も感じないわ。

【高畑】確かにね。それは感じないわ。

【他故】振動が来ないやつはダメだよ(笑)。

【きだて】全く感じないね。ダメだこれは(苦笑)。

【高畑】万年筆でこのザラザラのひっかかる感じって、普通はないものね。

【他故】だから、これは新しい感触ですよ。

――万年筆で書くと、すごい引っかかりますね。

【他故】面白いですよ。

【高畑】万年筆で書くと、鉛筆ほど凸凹が書いた線に反映されない。凹んでるところにもちゃんとインクがのるので、万年筆だとバレないかもね。そういう意味だと、万年筆がすべりすぎないで上手く使えるかもね。

【他故】そうね。万年筆で書くというと、下が柔らかいもので書くことが多いんだけど、こんなのもアリなんだって初めて知ったから、面白いな。

【高畑】これがいいという人と、そうでない人と分かれそうだけど、新しいのは間違いないね。

【他故】うん、これは分かれるでしょ。「買ったら色々と試してみてね」という感じではあるんだけど(笑)。

【高畑】いろんな筆記具で試してみたくなるよね。

――万年筆で書いてると、適度にブレーキが利きますよ。

【他故】あんまりない感覚で面白いですよね。

【きだて】あ~細いボールペンは面白いな。0.3㎜級の。カリカリ系のゲルがすごく楽しい。今「シグノRT1」で書いてるんだけど、振動が「きつい」ってなるぐらいの。

【高畑】そりゃそうだよね。0.3㎜だと、この凸凹のわだちに取られる感じがするよね。

【きだて】完全に足を取られるので、書いていて疲れる。しんどい(笑)。

【高畑】だから、これも程度問題で、逆に足を取られるという筆記具もあるわけだよ。思った通りに書こうとするけど、足を取られるという。

【きだて】「サラサナノ」で試したいな。

【他故】すげーな。「アクロボール」の0.3で書いても足を取られるよ。

――ジェットストリーム エッジだとどうなんですかね?

【他故】「エッジ」でも持ってかれちゃうんじゃないですか。

【高畑】凸凹で書いている感じがすごいしちゃうんじゃないかな。

――う~ん。

【高畑】きだてさん、俺も「サラサナノ」で書いてみたけど、面白いよ。

【きだて】(書きながら)ははは(笑)。

【高畑】何か、音が増幅するぞ。

【きだて】何だろうね。

【高畑】逆に強調されない?

【きだて】0.3だと強調はされないんだけど、凸凹の間をサスペンションの移動でつなぐ感じなので、ずっと「シャリシャリシャリ」って変な音がする。

【高畑】シャリシャリいうね。

【きだて】そして、すごい震えるな。

【高畑】震えるでしょ。そうなるよね。ゆるいボールペンで書くと震えるよね。

【他故】下敷き1枚で、今まで使っていたペンがこれだけ楽しめるなんてすごいなぁ。

【きだて】面白いな。

【高畑】別の触感の何かに変わるね。

【他故】そう、変わる、変わる。

【高畑】ペンの感覚を味変する感じで、いいんじゃないですか。

【他故】いいっすよ。

【きだて】でも、何だかんだで鉛筆とシャープペンでとどめを刺すな。

【他故】そういうチューニングだよね。そこがベストチューニングですよ。

【高畑】確かに、それ用だものね。でもね、万年筆がちょっと発見だった。面白い。

【きだて】面白いね。

【他故】そんなことあるんだ、みたいな。

【高畑】知ってる感じじゃない万年筆の書き心地になって。

【きだて】すごい斬新。へぇー。

【他故】子どもだけに与えておくのはもったいないな。

【きだて】もったいない。大人が遊べばいいよ。

【高畑】子ども用のは、大体大人でも使えるからな。クツワなんかがが最近、子ども用のをあたかも大人用のフリをしてクラウドファンディングしてるじゃない、「お道具箱じゃん」みたいな(笑)。

――「プニュグリップ」も大人用を出しましたからね。

【高畑】「プニュグリップ」もそうだし、2枚刃の鉛筆削りなんかもしゃれたビンに入れて売ってたりして。

【きだて】うん。

【高畑】(試し書きしながら)あっ、万年筆面白い。

【他故】ははは(笑)。

【きだて】やたらと気に入ってるな。

【高畑】これは、色々とやってみたくなりますな。

【他故】うん、本当に。

【高畑】今まで持っているペンを、あれこれ取っ替え引っ替え楽しむだけでも充分買う価値があるぞ。

【他故】ちょっと今、下敷きが面白いので、「普段使ってなかった」という人も、もう1回使ってみると面白いかもしれないね。

【高畑】下敷きを使うのって、日本人ぐらいらしいよ。

【他故】そうなんだ。

【高畑】特に、学校で子どもたちがみんな使うじゃない。そういうのって、世界でみたらあまりないらしいよ。下敷きを敷いて書くという考え方はないらしい。

【他故】文房具の下敷きって、英語で何ていうかも知らないし。

【きだて】あっそうか。何だろうね?

【他故】最近下敷きにハマってて、色々と試してるんですよ。共栄プラスチックの「Kiwami」を愛用しているけど、今回のこれもめちゃめちゃ面白い。

【高畑】これは、単純に書き心地が究極というよりは、本当に遊びだよね。遊びとして面白いし、そこが共栄プラスチックの目指しているところと全然違うところで。

【他故】そうそう。全く違うからね。

【高畑】もちろん、子どもが使えば、練習として手先を意識させるためのものだけど、大人でも手先を意識させるものとしてレジャー的な面白さがあるな。

【他故】そうそう。発見でしたよ。

――英語で下敷きはそのまま“shitajiki”でしたよ。

【きだて】俺もGoogle翻訳で調べたら、ローマ字でshitajikiだったよ。

【他故】やっぱり、ズバリがないんだ(笑)。

【きだて】ないっぽいね、どうも。

――今回は色々と発見があってよかったですよ。

【高畑】これは面白い。

*次回は「タツール筆入」です。

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プロフィール

きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」が好評放送中。ラジオで共演しているふじいなおみさんとのユニット「たこなお文具堂」の著書『文房具屋さん大賞PRESENTS こども文房具 2022』が発売中。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/

「ブング・ジャムの文具放談 特別編・完全収録版~『ブング・ジャム的Bun2大賞』ベスト文具を決定!~」〈前編・後編〉と「ブング・ジャムの文具放談・完全収録版~2020年Bun2大賞を斬る!~」〈前編・後編〉をコンテンツプラットフォームnoteで公開中。