マグネシウムが豊富な食材

私のおすすめは豆腐や納豆、ナッツ類

現代の日本人のマグネシウム摂取量(1日当たり)は、推奨摂取量より男性は100mg、女性は50mg、不足しているといわれます。ですから、マグネシウムがたっぷり含まれている食品をふだんから取り入れることがたいせつです。

その目安ですが、前述した不足分をさらにとるよう、意識するといいでしょう。不足しているマグネシウムを十分に補うことで、血糖値降下に役立つことが期待できます。

加えて、マグネシウムが豊富な食材は、食物繊維も多く含んでいる傾向があります。そのため、腸での糖分の吸収を抑えて、食後の血糖値上昇を緩やかにする効果もあります。いわゆる「血糖値スパイク」を防ぐのにも、適しているのです。

マグネシウムを豊富に含む食材は、下記の一覧をご参照ください。そのなかでも、私がお勧めするのは、豆腐や納豆といった大豆食品ナッツ類です。

特に豆腐は、マグネシウム豊富な大豆と、主成分が塩化マグネシウムであるにがりが材料に使われています。100gの豆腐で換算すると、50mg以上のマグネシウムが含まれています。豆腐1丁は約300gなので、男性なら3分の2丁、女性なら3分の1丁をふだんの食事に加えると、1日の不足分が補えることになります。納豆をそばにのせた納豆そばもお勧めです。

マグネシウムが豊富な食材
生そば 65mg 玄米 110mg
豆腐(木綿) 57mg 納豆 100mg
アーモンド 290mg ピーナッツ 170mg
ワカメ(生) 110mg ノリ(焼き) 300mg
ヒジキ(ゆで) 37mg カキ 65mg
アサリ 100mg マグロ(赤身) 45mg
ほうれん草(ゆで) 40mg アボカド 34mg
バナナ 32mg ……など
可食部100g当たりのマグネシウム量。
数値は文部科学省『日本食品標準成分表2020年版』〈八訂〉より

また、飲水を硬水のミネラルウォーターにするのもいいでしょう。硬水とは、ミネラルが豊富な水で、マグネシウムも多く含まれます。硬水かどうかは、ラベルの成分表を見ればわかります。

サプリメントに頼り過ぎるのはお勧めできません。先に述べた食物繊維やビタミンなど、ほかの栄養素もバランスよくとることが重要です。自然の食べ物に含まれるマグネシウムをとる、というのが望ましい考え方です。

マグネシウムのとり過ぎは、あまり心配ありません。たとえ極端に摂取し過ぎたとしても、せいぜい下痢になる程度です。ただし、極度に腎機能が悪い人は、過剰摂取を避けたほうがいいでしょう

何事もほどほどが大事です。一度にたくさんとるよりも、毎食、分散してマグネシウムが豊富な食材を食べるように心がけましょう。

マグネシウムには、糖尿病の合併症として起こりやすい動脈硬化や高血圧などの予防や改善も期待できます。糖尿病対策の食事というと糖質が注目されがちですが、マグネシムにも目を向けて、継続的に摂取するように日ごろから心がけてください。

[別記事:マグネシウムたっぷり!合併症も防ぐ!糖尿病特効レシピ→

この記事は『壮快』2022年4月号に掲載されています。

画像参照:https://www.makino-g.jp/book/b600244.html