ジュネーブで新作時計に心躍る。レトロ、ファンタジー、複雑機構に注目

スイス・ジュネーブで開催された時計見本市『Watches & Wonders Geneva』。レトロな時計を現代的にアレンジした復刻モデル、時計の領域を超越してファンタジーな世界へと導くアート作品、日本の技術力と感性を世界にアピールした意欲作……ジュネーブで発表された新作時計の数々は、そのアプローチの方向性や発表方法なども含め、来場者を多種多様に魅了しました。

45年前に発表された伝説のモデルを復刻させたヴァシュロン・コンスタンタン

ヴァシュロン・コンスタンタン「ヒストリーク・222」
2022年9月発売予定、価格 : 予価¥8,976,000

1755年創業のヴァシュロン・コンスタンタンは、メゾンの222周年を記念し1977年に発表された伝説の「222」が復刻しました。265年以上にわたり一度も時計づくりを中断したことがない世界最古のマニュファクチュールの歴史において最初の“スポーティシック”な時計として伝説に残るモデルです。

その当時「ジャンボ」の愛称で親しまれた37mmモデルを忠実に再現しながらも、装着時の着け心地の改良や、最新技術によるムーブメントの信頼性の強化が図られています。レトロな佇まいと、直径37mmというジェンダーレスなサイズ感が、まさに今の時代のど真ん中に刺さっています。

1977年に発表されたモデル(左)と、現代的にアレンジした復刻モデル(右)

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ヴァン クリーフ&アーペルが放つ“ファンタジー”なからくり時計

ヴァン クリーフ&アーペル「オートマタ フォンテーヌ オ ゾワゾー」

ヴァン クリーフ&アーペルは、独自の時計制作のテーマである“ポエトリー オブ タイム(詩情が紡ぎだす時)”を反映した魅惑的なオートマタ(からくり時計)を発表しました。土台の側面では、時間を表示する目盛りに沿って鳥の羽根が動き、羽根が12時の位置に達すると0時位置に戻るレトログラード式の時刻表示となります。

また、アニメーション機構を作動させると、約1分間、甘くやさしい情景が展開されます。水盤の水面が波打ち、睡蓮がゆっくりと花開き、トンボが空中に舞い上がり、2羽の鳥が目を覚まし歌声を響かせます。特に鳥の微細な動きが何とも可愛らしく、まるで生命が吹き込まれたようです。これはもう時計の領域を超越してファンタジーな世界へと導くアート作品と言えるでしょう。

心温まる可愛らしい鳥の動きはぜひ動画で見てほしい(画像クリックでYouTube動画再生)