体液が酸性に傾くことを「アシドーシス」といいます。腎臓病が進行すると人工透析治療を受けますが、その一歩手前のレベルといえます。アシドーシスの患者さんにはもちろんですが、その兆候がある人にも、重曹をアルカリ剤として処方します。すると、吐き気やだるさ、むくみなどの症状が軽減します。透析液の中にも重曹は含まれており、酸塩基平衡維持に役立っています。【解説】中尾俊之(腎臓・代謝病治療機構代表/望星西新宿診療所院長/東京医科大学名誉教授)

解説者のプロフィール

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中尾俊之(なかお・としゆき)

1947年、東京慈恵会医科大学卒業、同大学病院講師・第2内科勤務。82年、東京都済生会中央病院腎臓内科科長・透析室長を経て、92年、東京医科大学病院腎臓内科科長・透析センター部長。99年に同大学教授。2013年、東京医科大学名誉教授および腎臓・代謝病治療機構代表に就任。望星西新宿診療所院長。日本透析医学会認定専門医、日本腎臓学会認定専門医。