ルバーブのレシピ

自分で育てた野菜やハーブ、果実の美味しさは格別! とはいえ、一度に採れすぎて消費に困ったり、いまいち生かしきれないハーブがあったり…。そんな家庭菜園のよくある悩みをシェフがおいしく解決してくれる連載「Garden to Table」。予約の取れないレストラン「ユンヌ・フルール」の伊藤仁美シェフが伝統のフレンチの技を家庭でできるようアレンジして教えてくれます。第1回目は真っ赤な色が魅力のルバーブがテーマです。

ハーブや果実が育つ庭のあるフランス料理店「ユンヌ・フルール」

フランス料理店「ユンヌ・フルール」

読者のみなさん、初めまして。「ユンヌ・フルール」のシェフ伊藤仁美です。私が作る料理は、クラシックなフランス料理です。というと、しばしば敷居が高い、と思われがちですが、私はもっとリラックスしてフランス料理を味わっていただきたくて、7年前に岐阜県のひるがの高原という場所にレストランを開きました。

フランス料理店「ユンヌ・フルール」

ユンヌ・フルールには森に囲まれた小さな庭があり、タイムやベルガモット、チャイブ、グロゼイユ(赤スグリ)などのたくさんのハーブや果実が実ります。庭の中を流れる小川の側では、クレソンがわさわさ育っています。お客様にはお食事の前後で、この庭を散策したり、庭をのぞむテラスでゆっくり過ごしていただいています。庭の真ん中に設けた芝生広場は、大人の話に退屈した子ども達の格好の遊び場です。走り回ったり、寝転んだり、花壇のワイルドストロベリーをつまんだり。大人もテラスの上からそんな姿を眺めてニコニコ。私の一番好きな風景です。そして、この庭から自分の手でハーブや果実を摘んで料理できることも、シェフとしてこのうえない幸せです。「Garden to Table(庭から食卓へ)」の素晴らしさは、私がフランス修行時代に体験したものであり、ずっと憧れでもありました。そんなフランスでのお話もいずれしたいと思います。

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丈夫で何年もよく育つルバーブ

ルバーブ

さて、第1回目のテーマはルバーブです。フランスでは「リュバーブ」と言っていましたが、フキのように太い茎を食べる野菜です。茎には赤いものと緑のものがありますが、ユンヌ・フルールの庭ではフランスでよく食べられている赤い茎の方を育てています。原産地はシベリアで、この高原の気候はとても合っているようです。じつは「タデ食う虫も好きずき」のタデの仲間。気候さえ合えば丈夫に育ち、宿根して翌年以降も収穫が楽しめます。栽培には苦労しませんが、もぎ取る時にちょっとしたコツが必要です。株元からくるっと回して折り取るようにすると、きれいにもぎ取れます。切り口が粗かったり汚いと、そこからウイルスが入って病気になることがあるので注意です。なかなかスーパーでは売っていない野菜なので、栽培できる人は庭や畑での栽培がおすすめ。育てるのが難しい人には、名産地の長野県富士見町から生産物を購入できるので、そちらの販売情報も後述しますね。