エキナセアは、夏に次々と特徴的な花を咲かせる宿根草です。多くの園芸種も作られていて、花の色や形もたくさんの種類が揃うことに加え、とても丈夫で育てやすいことから、近頃では、庭植えや寄せ植えによく使われるようになりました。今回は、エキナセアを徹底解剖! 特徴や育て方・ハーブとしての効能まで、エキナセアの魅力をたっぷり解説していきます。

エキナセアってどんな花?

そもそも、エキナセアとはどのような植物なのでしょうか? 「エキナセア」ってあまり聞きなれない名前かもしれませんが、じつはとても古くから、日々の暮らしに役立てられてきた歴史のあるハーブなのですよ。エキナセアの名前の由来・花の特徴をご紹介していきます。

花の特徴

エキナセアは、キク科ムラサキバレンギク属の耐寒性宿根草。別名のムラサキバレンギクは、花びらが満開になると垂れ下がり、纏(まとい)を飾る馬簾(ばれん)のように見えたことから名づけられたと言われています。花の中心部が、クリのイガのように球状に大きく盛り上がり、そのまわりに細長い花弁が放射状に広がっています。

エキナセアってどんな花?

耐暑性に優れており、花の観賞期間が長いので、夏花壇の彩りに重宝します。わい性のタイプや、背丈が70cmほどになるものまでさまざまあるので、庭の植栽バリエーションを幅広くしてくれる名脇役でもありますね。切り花としても活用できますし、花後のクリのイガ状の球の形が長く残り、ドライフラワーとしてもおすすめです。他のハーブと合わせてブーケにしても。

他のハーブと合わせてブーケにしても◯

起源・由来

花の中心部がウニのようにトゲトゲしいことから、ギリシャ語でウニを意味する『echinos』に由来しており、花言葉は「優しさ」「あなたの痛みを癒やします」など。

エキナセアは北米原産のハーブとして、古くから北米の先住民族に用いられていたことから「インディアンのハーブ」と呼ばれています。昔は動物の噛み傷の手当や虫刺されなど、薬として広く役立てられてきた歴史があります。

エキナセアの効能はとても優秀! 後ほど詳しくご紹介しますが、現在でもアメリカではエキナセアがサプリメントとして流通していますし、ドイツでは医薬品として取り扱われていますし、ヨーロッパでは、エキナセアのチンキも暮らしの中に定着しています。チンキとは、ハーブをウォッカやホワイトリカーなどのアルコールに浸し、有効成分を抽出したものです。水では抽出できない成分もアルコールには溶けだすため、ハーブを効率よく取り入れることができるアイテムです。

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色が豊富! エキナセアの種類

カラフルなエキナセア
badboydt7/Shutterstock.com

近年、観賞用として園芸店でも人気が高く、赤やピンク、オレンジ、黄色、白など豊富なカラーバリエーションが魅力のエキナセア。白花で草丈が低く、花つきもよい‘ホワイト・スワン’や、橙赤色の一重咲きの‘アーツ・プライド’などさまざまな種類があります。

ホワイトスワン
“ホワイト・スワン” Alexandra Glen/Shutterstock.com