「もしかしてうちの夫がたたないのは……」と思っても、なかなかその話題を本人には切り出しにくいもの。とはいえ、改善するためにできることはないのかと考えているあなた。今回は、メンズヘルスに詳しい泌尿器科医の窪田徹矢先生にセルフケアやクリニックでの治療について聞きました。よりよい夫婦生活を営む参考にしてください。

教えてくれたのは…
監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)

獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。

EDってどうしてなるの?

背中合わせ夫婦

体と心に原因があります

女性には到底わからない、EDの症状。そもそも、どうしてなってしまうのでしょうか。

「勃起は、性的興奮を受けると神経がその興奮を陰茎海綿体に伝え、陰茎の動脈に血流が集まることで起きます。性的興奮、神経、血流、どれが欠けても勃起は正しく起きないのです。

主な原因は以下のようなものがあります。大きく分けると心因性と器質性の2つがあり、混合している場合もあります。

  • 仕事や家庭でのストレス、不安、うつ病など(心因性)
  • 動脈硬化→糖尿病、高血圧、高脂血症、神経障害(器質性)
  • 男性ホルモンの低下

また、妻にだけ勃起できない『妻だけED』という症状もあります。これは妻との性交にストレスを感じることで起きるため、離婚の原因になることもあります」(窪田先生)。

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EDはセルフケアでも改善する?

コーヒーとバナナ

生活習慣を見直すことは有効です

EDなのかな、と思ってもクリニックに行くのはちょっと勇気がいるという方も多いでしょう。まずは家でできることはないのでしょうか。

「生活習慣に原因がある患者さんは多いですね。

まず見直してほしいのが睡眠です。EDに疲労は大敵なので、睡眠は7時間以上取っていただきたいです。そして、男性ホルモンがつくられるのが午後10時から午前2時までなので、その時間に睡眠が取れればベスト。働き盛りの男性が午後10時に寝るのは難しいかもしれませんが遅くとも午後12時には就寝してほしいですね。

次に食事です。私がおすすめしている食事の一例です。

  • 低脂質・高たんぱく質の食品とシトルリンを組み合わせる
  • 朝にバナナを食べること
  • 朝にコーヒーを飲むこと

シトルリンは、血管を拡張させる機能があるとされ、バイアグラなどの薬にも使われています。スイカ、メロン、きゅうり、ゴーヤ、冬瓜などウリ科の食品に多いです。それらと、筋肉と血液をつくるたんぱく質を組み合わせてとると効果的です。

バナナにはブロメラインという酵素が含まれ、男性ホルモンのテストステロンを増やす働きがあるとされています。また、幸せホルモンであるセロトニンの原料となるトリプトファンも含まれているため、うつやイライラ改善に効果があります。

テストステロンは朝に最も増え、セロトニンは日中に作られるため、バナナは朝に食べるとその栄養を存分に生かすことができるのです。

コーヒーもED改善に良いとされています。覚醒作用があり、代謝促進効果もあるので、コーヒーを飲んだ後に筋トレをすればさらに効果的です。ただし、コーヒーはブラックで。肥満の原因になる砂糖や牛乳は入れません。夕方以降にコーヒーを飲み過ぎると頻尿などの原因になるので、朝に飲むが良いでしょう」(窪田先生)。