2021年に乳がんが判明し闘病を続けている、こほこさんの体験を描いたマンガを紹介します。

右乳の全摘と同時再建の手術の日がやってきたこほこさん。手術が終わり、看護師さんから声をかけられていることに気付いたこほこさんは何だか変な感じがして……!?

「浸潤性小葉がん」というがんになった私は、右乳の全摘手術をすることになりました。同時再建もおこなうことになり、手術時間は約9時間の予定でした。

手術当日、私はというと……。

#乳がん絵日記11

朝6時までにアルジネードという経口補水液を飲んでおきます。このアルジネード、「ヤクルト」のような「ポカリスエット」のような味でゴクゴクと飲めました!

私は髪が長いので、ふたつくくりにしておいたのですが、子どものころ以来だったので何だか違和感。手術衣は肩から腕がマジックテープでくっついているのですが、適当に貼り付けたらコントみたいにはだけてしまいそうでした。

T字帯というおむつのような紙パンツと、サージカルストッキングという着圧ソックスをはいたら準備完了です。いざ、手術室へ出発!

#乳がん絵日記11

朝8時半前に病棟から手術室へと向かいました。病棟の入り口で夫が待っていてくれて、看護師さんと3人で手術室へと歩いて行きました。

夫とは手術室の大きな扉の前でお別れ。私の手術中、夫は待機室で読書したり庭を散歩して過ごしていたそうです。

手術室の内扉の前で看護師さんが話しかけてくれて、いろいろ確認などをしました。その後、手術室のスタッフさんなどたくさんの人と一緒に手術台へ。

台に上って寝っ転がると、乳腺外科の先生が腕をさすりながら声をかけてくれて、ちょっと安心。あとはお任せしました! と心の中でつぶやく。

麻酔科の先生が左手の甲に注射したり針を刺したりして、口から何か出てくるマスクを当てられました。眠くなるのか〜と思っていたら「まだ眠くなりません」とまさかのひと言。次に「きつめのお薬が入ります」と言われたら、あっという間にスヤァ……と眠っていました。

#乳がん絵日記11

手術が終わり、「こほこさん、終わりましたよ〜」「ご主人ですよ、こほこさん!」と私を呼ぶ声がぼんやりと聞こえました。このときは何かガタガタと移動しているような感じでした。

その声に反応して、目を開けてみるも平衡感覚がわからず……斜めのほうに夫が笑っている姿が見えました。しかし私は麻酔の余力に抗えず、再び目を閉じてしまいました。後から聞いたのですがコロナ禍で夫とはこの一瞬しか会えないとのことで、スタッフさんが総出で私を必死に起こしてくださったそうです(笑)。

観察室らしき場所に到着し、再度起こしてもらって何とか目が覚めました。形成外科の先生が「どこが痛いですか?」と聞いてくれるものの……声が出ない! 気管挿管をしていたから声が出なかったらしいです。聞いていたと思うのですが、忘れてしまっていた私。

背中の右側にクッションを挟んでもらい、手術したほうの肩が上がってちょっとラクな感じがしました。左の太ももから組織を取って再建したので、左脚は股関節から開脚している状態でした。動いていいのかな? と思っていると、右脚は動かしていいみたいだったので足首を回したりしていました。左脚は太ももの裏にピリピリと張っているような感覚があったので、おとなしくしておくことに。

夜9時ごろになって水が飲めるようになったので、ベッドの背もたれを上げて水を飲みました。背もたれを上げたせいでずり落ちてしまったので、元の位置に戻りたかったのですが傷に響いてしまいそうで踏ん張れませんでした。小刻みにズリズリと上がっていると手術衣のマジックテープが剥がれてしまいました!

水が飲めるようになった時点で、酸素マスクは口を覆うものから鼻に付けるタイプに変更していました。休んでくださいと言われたものの、麻酔で爆睡していたので眠くなく……。スマホも見る気になれなかったので、カーテンの隙間から見える時計をぼんやりと眺めていました。
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無事に手術を終えたこほこさん。コロナ禍の入院や手術は制限が多くて大変ですよね。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic副院長)
美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。

著者/こほこ
2021年、乳がんになり右胸を全摘。「患者さんが残した記録が誰かのためになることもあるよ」と医師から聞き、絵日記を書き始める。夫と2人暮らしの40代。仕事も趣味も人生も楽しく継続中。
Instagram:@co_4_co_kyoto