クルクマとは? その栽培法を探る


わが家のバルコニーの鉢植えのクルクマ。最初の開花から2カ月以上経ち、植え付けた球根のほとんどから花芽が伸びた。

クルクマ(Curcuma)は、ショウガ科クルクマ属(ウコン属)の多年草の熱帯植物。おもな原産地はマレー半島、インド、アフリカなどで、50種類ほどの原種が分布する。カレー粉などに使われるターメリック(ウコン)と同属。30~50cmほどの高さの、花と呼ばれるトーチ形の部分は苞で、正確にはいくつもの苞の中に小さく咲くのが花だ。

最近、都心の花屋でクルクマが並んでいるのを見かけた。これから切り花としても需要が高まるかもしれない。

【植え付け】

球根の植え付けは、関東平野部では、5月初旬から中旬にかけてが適期とされる。土の表面から4~5cm下の深さに発芽体と養分貯蔵体を植え付ける。

鉢植えの土は、小粒の赤玉土7に腐葉土3を混ぜたもの、もしくは市販の園芸用土。水はけがよく、保水性のある用土が望ましい。

【置き場所】

高温多湿を好むので、日当たりのよい場所で育てる。

【水やり】

鉢植えは土の表面が乾いたら、鉢底から流れるまでたっぷりと水を与える。乾燥を嫌うので、夏場の水枯れに注意。

【肥料】

多肥を好むので、植えつけの時に元肥、発芽後には液肥を月2~3回与える。

【花後の手入れ】

ほぼ1カ月にわたる開花後は、花がらを摘み、有機肥料などのお礼肥を与える。秋まで葉を残して球根を育て、10月から11月中旬頃に、葉が枯れる直前に掘り上げ、室内で保管する。

【病虫害】

特にない。

【増やし方】

1個の株から3~4個の小球根ができるので、分球する。

わが家では、秋に植え付けた球根より、5月に植え付けた球根のほうが開花は遅かったが、花芽がたくさん付いた。花の少ない真夏に元気な姿をみせてくれるクルクマ。これから少しずつ増やしていきたいと思っている。

Credit

写真&文/松本路子

写真家・エッセイスト。世界各地のアーティストの肖像を中心とする写真集『Portraits 女性アーティストの肖像』などのほか、『晴れたらバラ日和』『ヨーロッパ バラの名前をめぐる旅』『日本のバラ』『東京 桜100花』などのフォト&エッセイ集を出版。バルコニーでの庭仕事のほか、各地の庭巡りを楽しんでいる。2018-22年現在、造形作家ニキ・ド・サンファルのアートフィルムを監督・制作中。

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