「韓国のブルックリン」ソウル・聖水洞にZ世代が集まる理由

ソウル東部の聖水洞(ソンスドン)。ここは今、倉庫や工場をリノベーションして生まれたカフェやアート空間などが集積し、アメリカのニューヨーク・ブルックリンのイメージと重なり、「韓国のブルックリン」と呼ばれています。

韓国の「Z世代」を中心に感度の高い人たちに人気の街、ソウル・聖水洞。写真とともに韓国の「今」を伝える【韓国スケッチ】の聖水洞編では、代表的なカフェや壁画通りなど注目の観光スポットを紹介します。(取材協力:韓国観光公社)


開放的な空間が広がるオープンテラス 「CAFE ハラボジ工場」

聖水洞は、古くから製靴産業の拠点として発展しました。2010年代に入って地区に集積する工場や倉庫をリノベーションしたギャラリー型のカフェが登場し、新たな観光スポットとしての顔を見せています。


店内は撮影スポットとしても人気 「CAFEハラボジ工場」

韓国の人気ドラマ「ヴィンチェンツォ」のロケ地としても知られる「CAFE ハラボジ工場」も、聖水洞を代表するカフェの一つです。韓国の有名建築デザイナーが手がけ、工場をリノベーションして誕生しました。外には緑に囲まれたテラス席があり、店内は、元工場のスケール感を生かした空間設計になっています。ギャラリーの作品を鑑賞しながらカフェタイムを楽しむことができます。

ドラマ「ヴィンチェンツォ」は2021年に韓国で放映され、ネットフリックスで世界に配信されました。「CAFE ハラボジ工場」では、主人公のヴィンチェンツォとホン・チャヨン弁護士が語り合うシーンが撮影されました。

【ドラマ「梨泰院クラス」パク・セロイを感じるソウル聖地めぐり】


ベーカリーカフェとして人気 「カフェ オニオン」

ベーカリーカフェ「カフェ オニオン」も工場をリノベーションしてつくられ、聖水洞を代表する人気カフェの一つになっています。工場や倉庫が密集する聖水洞が先進的で洗練された「アートとカフェの街」として注目されるようになったきっかけが、空き倉庫をリノベーションしたギャラリーカフェ「大林倉庫」です。重厚な扉の奥には、アートとインテリアを体感できる空間が広がります。アメリカの「ブルーボトルコーヒー」も2019年の韓国初出店の場所に、聖水洞を選びました。


扉の向こうには、天井の高いカフェ空間が広がります。ギャラリーカフェ「大林倉庫」


店内の家具やオブジェからもアートを体感 ギャラリーカフェ「大林倉庫」

聖水洞では、街のあちこちでカフェタイムを楽しむ人たちの姿が目に入ります。ガイドさんがその理由の一つとして、「ちょっとご近所さんとおしゃべりする時にもカフェを利用する」とソウルのカフェ文化について教えてくれました。


カフェ「MELLOWER(メロワー)」 外壁も気分を盛り上げてくれます


カフェ「MELLOWER(メロワー)」 入り口 

【待望の少女時代 最新アルバム『FOREVER1』全10曲をレビュー!】

街のあちこちでアーティストたちの息づかいを感じます。壁画は歩きながら楽しめるアート空間をつくり出しています。


人気ドラマ「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」のロケ地として知られる壁画通り

路地を進むと、鮮やかな黄色が印象的な壁画が目に飛び込んできました。「モカ冊房壁画」です。韓国の人気ドラマ「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」のロケ地にもなっています。聖水洞には、カフェのほかにも工場や倉庫など既存の施設をリノベーションして再生している人気スポットが点在しています。


最新のスキンケアやメイクが楽しめる「AMORE聖水」

韓国の化粧品メーカーが運営する「AMORE聖水」も工場をリノベーションしています。スキンケアからメイク用品まで無料で試すことができます。


北欧の人気照明ブランドも街の空間にとけ込んでいます

歴史を大切にしながらアートとデザインが新たな息を吹き込んだ街で、お気に入りのカフェやアート空間、ショップを見つけてみませんか。


可愛らしいピンクの椅子が目にとまりました


カフェタイムを楽しむ人たちが街の景色に彩りを添えています