2015年に子宮頸がんが判明した、とりだまり まどさんの体験を描いたマンガを紹介します。子宮頸がんの手術をおこなったとりだまりさん。病理検査の結果で、抗がん剤治療をするかどうかが決まるのですが……。
病理検査の結果が出るまで、宙ぶらりんになっていた「今後の治療の有無」。
ようやく結果が出て……抗がん剤治療をすることに。
正直、涙が出そうになりました。
激しいショックと、抗がん剤があまりにも怖くて、先生に「抗がん剤って本当に効果あるんですか?」と軽くキレてしまった私。
だって抗がん剤、怖いもん。
でも、先生の言葉で、なんだかとても安心したことを覚えています。
抗がん剤治療をする覚悟も固まりました。
「30万円のお高いカツラでも買う! 私の心の平安のために!」と以前は思っていましたが、いざ実物を買うとなると、「本当ににいいの……? 30万円……」と揺れて揺れて。
結局もう少し考えることにしたのでした。
そんな私に、抗がん剤治療の先輩である、フルダテさんがくれたアドバイスとは……。
昔、本当に似合わなかったので、このときも髪を短くするのが本当に嫌でした。
それなのに、治療のために切らざるをえなくなって……。
気付けば、「この人より、私のほうが不幸」と無意識のうちに比べて、不幸マウンティングを取ってしまって。
そんな自分の不幸に酔っぱらっていた私ですが、美容師さんは心地よく酔いを覚ましてくれたのです。
お母さんが弱っていくところを間近で見ていた経験は、とてもしんどいものでしょう。
そのしんどさを、やさしさに変えることができた、とてもすてきな美容師さん。
できれば私も、そんなふうになりたいなと、とても自然に思うことができました。
彼のおかげで、似合わないと思っていたショートカットが似合うこともわかり、「嫌だな~」しかなかったこの時期が、ちょっと楽しいものになったのでした。
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抗がん剤治療を控えて、しんどい時期に、この美容師さんに出会えてよかった、とりだまりさん。つらいことがあると、無意識に人に当たってしまうこともありますよね。
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監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
著者/とりだまり まど(46歳)
フリーライター。39歳で子宮頸がん(ⅠB2期)が見つかり、子宮・卵巣摘出、薬物療法(抗がん剤・シスプラチン)と放射線治療を経験。治療体験を描いたブログ『今日のもイキイキと弱音を吐きます』をゆるゆると更新中。