結局、負担額がおトクなのは従来の保険証?それともマイナ保険証?


診察券の受け渡し
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こうした不公平感に国民の反発も大きく、政府は今年10月からマイナ保険証を利用した際の追加負担額を見直しました。

マイナ保険証を利用した場合、初診時の追加負担は21円から6円に引き下げ、反対に従来の保険証を利用した場合の初診時の追加負担は9円から12円に引き上げられました。再診時は、マイナ保険証、従来の保険証とも追加負担は発生しません。さらに、調剤時の追加負担は、マイナ保険証の9円と従来の保険証の3円を逆転させています。見直しの結果、従来の保険証と比べマイナ保険証の方がいずれの場合においても負担額は低くなり、おトクになりました。

●2022年10月までの追加負担額

●2022年10月からの追加負担額



 
政府は2024年秋に従来の健康保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化すると発表しています。その一方で、情報流出を心配する声や紛失時の懸念、認知症の方の申し込みをどうするのかといった課題の声も聞かれています。マイナ保険証には、前述したように数々のメリットがあり、普及が拡大すれば私たちの生活の利便性は向上するでしょう。政府には、国民の間の根強い反発や心配の声に対して、丁寧に説明していく姿勢を期待したいところです。