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●調査内容:ランチパックとスナックサンド、見た目そっくりな2商品を食べ比べて違いを調べてみた

 先日、スーパーで袋入りのたまごサンドを1個買ってオフィスで食べていたら、同僚から「あ、ランチパックですね」と声をかけられました。しかし筆者が食べていた袋をよくよく見ると「ランチパック」ではなく、「スナックサンド」と書いてありました。そう、この2つ、遠目からはわからないほどよく似てますよね。


あまりにも似ているのでパッと見だとどっちがどっちだかよくわからない

 ご存知の方も多いと思いますが、「ランチパック」はヤマザキの商品、「スナックサンド」は、フジパンの商品です。どちらも袋にサンドイッチが2個入っていて、その形状は食パンの耳がなくて四方が閉じられているタイプ。サイズも見た目も、そっくりなんですよね。


ヤマザキの「ランチパック」は50種類以上もあります

 筆者は今回、ブランドを意識せず何気なく手に取ったわけですが、言われてみればこの2つ、何が違うんだろう? と気になり始めました。

 それぞれの歴史をHPで調べてみると、フジパンの「スナックサンド」が1975年、一方、ヤマザキの「ランチパック」はその9年後、1984年に誕生しています。つまり、この独特な形を作った元祖は意外にもフジパンなんですね。ランチパックがあまりにも有名なので逆なのかと思ってました…。


「スナックサンド」のパッケージには「元祖since1975」と書かれています。

 ともあれ、このパンの四方を閉じた形状のおかげで中の具材がはみ出ないので、持ち運びに便利。もちろん食べるときもこぼれないのがイイ。また、両者とも開封前なら常温でも2~3日持つうえ、フレッシュなサンドイッチより格段にリーズナブルで、1個108円~158円くらいで買えるというメリットがあります。

 このように、ランチパックとスナックサンドはよく似た商品ではありますが、作り手が違えば絶対に差があるはず。そこで今回、食べ比べてその差を調査してみました。

何が違う? スナックサンドとランチパック


これはフジパンのスナックサンド「タマゴ」108円

 2022年11月現在、「スナックサンド」は全19種類、「ランチパック」はご当地限定を含めて53種類もあります。かなり種類が豊富ですが、実際、スーパーなどで見ると、全部の種類が売っているわけでなく、取り扱い商品は店舗によって異なるようです。

 そこで今回は、どのお店でもよくみかける商品に絞って比較することに。すなわち「たまご」、「ツナマヨ」、「ピーナツ」の3つの味。ちなみに、スナックサンドはいずれも116円、ランチパックは138円。ランチパックのほうが少しお値段が高めです。

タマゴVSたまご


左がランチパックの「たまご」。右はスナックサンドの「タマゴ」。ひらがな・カタカナという差はありますが…

 まず、スナックサンドの「タマゴ」とランチパックの「たまご」のスペックを比較します。

・スナックサンドの「タマゴ」は116円(2個入)、1個あたり137 kcal
・ランチパックの「たまご」は138円(2個入)、1個あたり146kcal

 ちなみに今回はすべて西友で購入。というわけで、さっそく食べ比べてみます。まずパンそのものの違いについて。写真を見ていただければわかる通り、パン自体のキメが違いますよね。


袋から取り出すと、形状はそっくりですがパンのキメに違いがあります

 実際に食べてみると、スナックサンドの食パンはしっとりしていてやや重めの食感。ランチパックのパンはややパサッとしていて、軽めです。

 続いてタマゴのフィリング。スナックサンドはタマゴの白身の主張が強くてゴロゴロした食感で、卵黄とマヨネーズ感がやや控えめであっさりした味わい。食感は、白身のゴロゴロ感があるので、全体的に固めの印象です。


色味もたまごの大きさ&テクスチャーもけっこう違います

 一方、ランチパックはマヨネーズの量も味も強めで、卵黄の濃い味がして、食感もとろとろしています。

 パンとフィリングをまとめると、以下の通り。

・スナックサンドはパンがしっとり重め。たまごはしっかりした食感で味はあっさり
・ランチパックはパンがさっくり軽め。たまごはとろとろで味が濃いめ

 どちらもパンとフィリングのバランスを考え抜いた構成のようで、好みは人によるでしょうが、筆者的にはスナックサンドのしっとりパン+ゴロゴロたまごに軍配を挙げたいです。

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みんな大好き「ツナマヨ」対決


「ツナマヨ」も商品名が違いますね

 続いて、スナックサンドの「ツナ&マヨ」とランチパックの「ツナマヨネーズ」の比較です。ツナマヨといえば、おにぎりの具材でも、サンドイッチの具材でも大人気ですよね。

 どちらもツナマヨにオニオンを和えたツナサラダをフィリングにしているようです。スペックは以下の通りで、カロリーはほぼ同じです。

・スナックサンドの「ツナ&マヨ」116円(2個入)1個あたり154kcal
・ランチパックの「ツナマヨネーズ」138円(2個入)1個あたり156kcal


右がスナックサンドの「ツナ&マヨ」、右がランチパックの「ツナマヨネーズ」

 食べてみると、パンに関しては前述のとおり、スナックサンドはしっとりで、ランチパックは軽め。

 中のツナマヨのフィリングに関しては、スナックサンドは食べた瞬間にオニオンの香りが立ち、非常になめらか。一方のランチパックは、スナックサンドに比べるとフィリング自体が多めで、ツナの食感がはっきり際立っています。さらにツナもマヨも味が強めで濃厚。オニオンの風味も感じますが、スナックサンドに比べるとやや控えめな印象です。筆者の好みで言えば、ランチパックのガッツリ強めのツナマヨに一票を投じたいと思いました。

味も食感も全然違うピーナッツ味サンド


左はランチパックの「ピーナッツ」、右はスナックサンドの「ピーナツ」。「ッ」のありなしにこだわりが感じられます

 最後は、スナックサンドの「ピーナツ」とランチパック「ピーナッツ」の比較です。「ッ」のありなしは置いておいて、これに関しては、味も食感もかなり違いました。まずはスペックです。

・スナックサンド「ピーナツ」116円(2個入)1個あたり215kcal
・ランチパック「ピーナッツ」138円(2個入)1個あたり180kcal


ビジュアルからもその差は歴然

 スナックサンドの「ピーナツ」は、フィリングの量自体が多く、写真を見ての通り色も濃くて濃厚な味わいです。中にピーナツの粒つぶが入っていて、噛むたびに香ばしさが際立ちます。そして後味にマーガリンの味を強く感じます。一方、ランチパックの「ピーナツ」はクリーム自体が少なめで、ピーナツクリームの濃厚さも弱め。スナックサンドより全体的に風味もおとなしめです。

 1個だけなら、スナックサンドのほうが断然美味しいです。しかし2個目に突入すると、スナックサンドの方は若干の重さが感じられます。2個食べる、あるいは別の味と一緒に食べることを考えた場合には、ランチパックのほうが食べやすいかもしれません。

調査結果

 というわけで、瓜二つと言っていいほど似ているスナックサンドとランチパックを食べ比べてみたら、まったく似て非なる味わいであることが判明。今回は、主力と思しき3商品だけで比べましたが、両ブランドはほかにもいろいろな種類のサンドを出しています。あえて食べ比べてみると、いろいろ発見があって楽しいですよ。

(撮影・文◎土原亜子)