冬の電気代に大きく影響を及ぼす「暖房器具」。暖房器具にはエアコン・石油ストーブ・ガスファンヒーター・電気ストーブなどさまざまなタイプがありますが、実際のところ、電気代が安くコスパのよい暖房器具はどれなのでしょう。今回は、冬に使う暖房器具の性質、またコスパのよさについて、徹底比較していきます。
コスパを考える前に、まずは各暖房器具の「性質」を理解しよう!
暖房器具5種類
【画像出典】iStock.com/MileA
たとえば「エアコン」は、広い部屋を暖める能力に優れていますが、部屋を乾燥させやすいというデメリットがあります。
「石油ストーブ」は、エアコン同様に広い部屋を暖められ、かつ乾燥にも強いですが、その分、部屋の換気や灯油の入れ替えなどの手間が発生します。
近年人気の「セラミックファンヒーター」は好きな場所に手軽に設置できるメリットがありますが、その分暖まるまで時間が掛かり、暖められる範囲も狭いというデメリットがあります。
暖房器具は「部屋を適切に暖められるか」、「日々快適に利用できるか」という部分も重要なので、まずはそれぞれの器具の「性質」をよく理解しておく必要があります。
それでは、身近でポピュラーな以下5タイプの暖房器具について、それぞれの性質をわかりやすく比較解説していきます。
<比較する暖房器具>
・エアコン
・石油ストーブ
・ガスファンヒーター
・セラミックファンヒーター
・電気ストーブ
エアコン
一般的な白いエアコン
【画像出典元】「iStock.com/bee32」
・暖め方・・・「ヒートポンプ技術」で暖気(もしくは冷気)を作り出し、部屋全体を暖める
・暖まるまでの速度・・・やや速い
・暖まる範囲・・・広い
・向いている場所、使い方・・・リビングなどの広い部屋
・メリット・・・広い部屋をしっかりと暖められる、灯油やガスより安全面で優れている
・デメリット・・・部屋を乾燥させやすい、フィルターが汚れているとホコリや悪臭が漂う、 業者による工事が必要で設置後に移動や持ち運びができない
石油ストーブ
石油ストーブ
iStock.com/Luca Rossatti
・暖め方・・・「灯油」を使い、中心にある燃焼筒を燃焼させ、発生する赤外線の力で暖める(芯式の場合)
・暖まるまでの速度・・・速い
・暖まる範囲・・・広い
・向いている場所、使い方・・・リビングなどの広い部屋、コンセントのない広い部屋
・メリット・・・灯油の燃焼で蒸気が発生するため乾燥防止になる、乾電池のみで利用できるためコンセントは不要
・デメリット・・・灯油の燃焼により二酸化炭素などが発生するため換気が必要、定期的に給油が必要、熱源は高熱になるため触ると火傷などの危険性あり
ガスファンヒーター
ガスファンヒーター
PhotoAC
・暖め方・・・ガスで熱を発生させ、発生した熱をファンの力で放出
・暖まるまでの速度・・・速い
・暖まる範囲・・・広い
・向いている場所、使い方・・・リビングなどの広い部屋、「ガスコンセント」のある部屋
・メリット・・・広い部屋でもしっかりと暖められる、ガスの燃焼で蒸気が発生するため乾燥防止になる
・デメリット・・・基本的には近くに「ガスコンセント」が必要、ガスの燃焼により二酸化炭素などが発生するため換気が必要
セラミックファンヒーター
iStock.com/Maryviolet
・暖め方・・・電気で内部のセラミックを暖め、発生した熱をファンの力で放出
・暖まるまでの速度・・・遅い
・暖まる範囲・・・狭い
・向いている場所、使い方・・・台所や脱衣所などの狭い部屋を程よく暖めたい場合に利用
・メリット・・・軽量コンパクトな製品が多くさまざまな場所に設置できる、「マイナスイオン発生」や「加湿」など機能が豊富、デザインがオシャレな製品が多い
・デメリット・・・暖まるまで時間がかかる、暖められる範囲も狭い、消費電力が大きい
電気ストーブ
部屋に設置した電気ストーブ
iStock.com/bee32
・暖め方・・・電気を使い、ハロゲンランプから発生する放射熱で周囲を暖める(ハロゲンヒータータイプの場合)
・暖まるまでの速度・・・とても速い
・暖まる範囲・・・とても狭い
・向いている場所、使い方・・・足元などに置き、自分の近くのみを暖めたい場合に使用(局所暖房)
・メリット・・・暖まるまでの速度が最も早くスピーディに周囲の温度を上げられる、軽量コンパクトな製品が多くさまざまな場所に設置できる
・デメリット・・・部屋全体を暖めることは難しい、熱源は高熱になるため触ると火傷などの危険性あり、消費電力が大きい
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電気代(燃料代)の安い暖房器具はどれ?
それでは本題となる「電気代(燃料代)」について、前述した5タイプの暖房器具の電気代をシミュレーションしていきます。
エアコンの電気代
エアコンの電気代は、「1時間あたり最小約2.8円~最大約39円」が目安となってきます。
※パナソニックCS-X229C(6畳用)の場合。
※電気代の単価は「公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会」が規定する27円/kWhで計算。
石油ストーブの灯油代
石油ストーブの灯油代は、「1時間あたり約17円」が目安となってきます。
※コロナ2215Y(6畳用)の場合。
※3.7L(タンク容量)÷17時間(燃焼継続時間)×80円(灯油代を1L=80円で想定)で計算。
ガスファンヒーターのガス代+電気代
ガスファンヒーターのガス代+電気代は、「1時間あたり約11円」が目安となってきます。
※大阪ガスの計算値を参考。
大阪ガス ガスファンヒーターが選ばれる8つのワケ
セラミックファンヒーターの電気代
セラミックファンヒーターの電気代は、「1時間あたり約27円」が目安となってきます。
※日立HLC-R1040(3~7畳用)のメーカー公表値を参考。
日立HLC-R1040 セラミックファンヒーター
電気ストーブの電気代
電気ストーブの電気代は、「1時間あたり約27円」が目安となってきます。
※日立HLH-HS307のメーカー公表値を参考。
日立HLH-HS307 ハロゲンヒーター