新しいジャンドゥーヤのカタチ

今回は3回目のサロン・デュ・ショコラです。1年目の自分自身の中でのテーマはビーントゥバーチョコレート。2年目はホワイトチョコ。そして今回はナッツをベースにしたジャンドゥーヤをやりたい!と思って考えました。

それがあって、ある日業者さんが紹介してくれたのが日本のくるみです。国産でくるみが希少であると聞いてはいたけれど、実際に自分で食べてみて感じて、すごく生産者さんもこだわっていたのでこの商品を作ってみました。くるみのジャンドゥーヤなんて、今までなかったと思います。

くるみって油分が凄く多くて、まず形にならず凄く難しかったです。国産のくるみは外国産よりも油分が多く、酸化も早かった。どうやって表現しようか、試行錯誤しできたのがこれです。このジャンドゥーヤは、やわらかいから型で抜けないのでオリジナルの型を作りました。これは修行時代に蚤の市で見つけたくるみの型にチョコレートを入れて、そのチョコレートで抜いた形を型のもとにしているんです。

クラフトチョコレートという表現はあったけれど、新しいジャンドゥーヤの形として提案したいと思っています。食べていただければ、その意図がわかるはずです。」

夢月さん「村田さんの今回出される、カカオの廃材を使ったものなどサスティナブルの流れを感じるのですが、何かテーマや意図はあったのでしょうか?」

村田シェフ「天然素材100%のカカオポッドを洗って、乾燥させて、コーティングさせて、器を作りました。自分にしかできないカカオの表現、ということを考えたときにショコラにとどまらず雑貨やデイリーで使うものでも表現できたらいいなと思っています。全国のお菓子屋さんだったり、チョコレート好きの方とかにも使ってもらえたら嬉しいですね。」

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「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」(ネル クラフトチョコレート トウキョウ)村田シェフが表現する”日本らしさ”

夢月さん「nelさんのパッケージやクリエイティブって、和と洋のバランス感が絶妙で、お菓子もそうですがどうやってそのバランスをとっているのか知りたいなと思っています。」

村田シェフ「これがとても悩ましくて、和に振りすぎると和風になってしまうんです。何も頭で考えずに感覚で感じる日本らしさのエッセンスを、自分の中で落とし込んで、大事にしています。日本風ではなく、日本らしさ。それがnel CRAFT CHOCOLATE TOKYO(ネル クラフトチョコレート  トーキョー)の表現するチョコレートですね。和の押し切りではなく、カカオとちゃんと共存している考え方が、自分の在り方。」

写真のおこしは、その1755年創業の老舗和菓子店【俵屋吉富】とのコラボレーションにより実現した和菓子「カカオ落雁 砂燦加(さざんか)」。世界共通の嗜好品で子どもから大人まで幅広く人気のカカオを、和菓子と組み合わせることでより多くの方に和菓子の魅力に触れていただきたい、との想いから生まれたそう。ほろっと崩れる食感、おだやかな甘みは、お茶にも。