現役の先生に、「最も優れていると思うツボ」を聞く本企画。今回は田中鍼灸指圧治療院院長の田中勝先生おすすめの「地機(ちき)」です。ツボって、どこをどう押せばいいかわからない……という方、ぜひご覧ください。【解説】田中勝(田中鍼灸指圧治療院院長)

解説者のプロフィール

田中勝(たなか・まさる)

田中鍼灸指圧治療院院長。北海道生まれ。治療のかたわら、鍼温灸と経絡あん摩、関節運動法講習会を開催するなど、精力的に活動。『高い血圧を下げ、低い血圧を上げることができる逆捻転 DVD』(もみも出版)好評発売中。

(広告の後にも続きます)

押すと一気に症状が改善する場合も

膵臓が、インスリンを分泌して血糖値を下げる役割を持っている臓器なのは、皆さんもご存じでしょう。

この膵臓は、中医学において「脾」に属しています。ですから、この脾の経絡に属するツボ刺激が、糖尿病には有効なのです。

多くの鍼灸指圧師が糖尿病対策に活用しているツボは、脾経の「陰陵泉(いんりょうせん)」ではないでしょうか。しかし私は、今回紹介する「地機(ちき)」のほうが、結果を出しやすいことを発見しました。その効果は、陰陵泉をしのぎます。

なぜ地機が有効なのかを解説する前に、私がツボ指圧において、痛みを重要視していることをお話しします。

押して痛いツボは、皮下の筋肉に硬くなっている部分があるということです。その硬い部分が押されると、痛覚神経が刺激されて、痛みが生じます。そこは、気血の巡りが特に悪い位置でもあります。なので、押すと痛いツボを1ヵ所押すだけで、たちどころに気血の巡りがよくなり、症状が一気に改善することもあります。

そして、ツボ指圧において、痛みの感覚を得やすいのが地機で、実際に高血糖の改善に多くの実績があります。