娘に異変! 必死で娘と向き合う日々

彼が家になじんだと思ってから1年後。突然、娘に異変が起こりました。意識をなくしてばたっと倒れ、手が震えて止まらない。慌てて救急車で緊急病院に連れて行きました。しかし、検査結果は異常なし。翌日以降に精密検査をすることにして帰途に着きました。足に力が入らずに歩けないので、大きくなった娘をおんぶし、タクシーを拾える大通りまで歩きました。

久しぶりにおんぶされた娘はうれしそうで、2人でケラケラ笑い合いながら家に帰りました。手の震えや足の脱力が治らないので、娘はしばらく学校を休んで車椅子で過ごしました。何回も病院に連れて行って精密検査を受けましたが、異常なし。元気だけれども介護状態が続き、私は仕事を休まざるを得ませんでした。病院通いや介護を続ける私を見て、娘が「あのね」と言いだしました。娘の告白は衝撃でした。

同級生の彼氏に体の関係を求められて応じたけれど嫌だったこと。同級生から「あいつは経験済みだ」とからかわれるのがつらかったこと。学校に行くのが嫌で、夜中に家を飛びだして先輩と一晩中何度もドライブに行っていたこと。パパ活をしていたこと。「非行」と呼ばれる行為を娘がしていたのでした。

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私は娘の「気持ち」を見ていなかった!

娘の行為がショックで受け入れられなくて、子どもの非行について検索しました。出てくるのは「子どもの非行の原因は親」という内容ばかり。そして、娘をカウンセリングに連れて行ったときに別室からカウンセラーの声が聞こえてきました。「お母さんがあなたを認めてくれなかったのがつらかったんだね……」。離婚して後ろ指を刺されないように、仕事も家事も子育ても精一杯踏ん張ってきたのに。全部私のせいだったのだ! どん底に落とされた気分でした。私が恋人を作ったのが悪かったのかと悩みました。

娘のために男と別れられないなんて、母親失格だ。でも、また孤独になるのは嫌だ……。自分を責める日々。そんな中、愛着障害や非行に関する本を読みあさり、私自身もカウンセリングを受けました。そして1つの答えを見出しました。私は頑張り過ぎて、娘の気持ちを見ていなかったのです。

シングルマザーだからと後ろ指を指されたくなくて「あれができていない、お母さんは頑張っているのに」と娘にも努力させようとしていたのが娘の負担になっていたようでした。私は娘を見ずに、世間ばかりに目を向けて、娘を否定してしまっていたのです。