国家検定資格「眼鏡作製技能士」って?愛眼の資格保有スタッフにインタビュー!

眼鏡作製技能士(がんきょうさくせいぎのうし)とは、メガネを作る際に必要な高い知識・技術を身に着けた者に与えられる国家検定資格です。かつては認定眼鏡士という検定資格がありましたが、新たに国家検定資格である眼鏡作製技能士が誕生。令和4年に第1回目の試験が行われ、合格者が発表されました。今回は、そんな眼鏡作製技能士とはどんな資格かを紹介するとともに、メガネの愛眼でこの資格を取得している成澤店長にインタビューしました。

眼鏡作製技能士とは?

眼鏡作製技能士とは、メガネ販売員向けの国家検定資格。メガネを作る際に必要な知識や技術を習得した者に与えられます。令和3年に技能検定職種のひとつとして厚生労働大臣から認可されました。

この資格を取得した人は、お客様に最適なメガネの提案、販売、ケアを行うエキスパートです。メガネに関する専門知識を持つとともに、お客様のニーズをくみ取り、測定や加工、フィッティングなどを通して最適なメガネを作製します。

眼鏡作製技能士には1級、2級と2つの等級が設けられており、検定試験では学科の他、実技試験も行います。実技ではロールプレイング形式の試験も行われ、検査時間内に処方する、実際にメガネのレンズを削って加工するような項目もあります。また、メガネの掛け心地、メガネにズレがないかなどのフィッティングも行います。

令和4年には、指定試験機関である日本眼鏡技術者協会により第1回目の試験(4月に学科、7〜8月に実技)が行われ、総受検者数は7,632名。合格者数は合計6,089名でした。

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眼鏡作製技能士を取得したスタッフへのインタビュー

2023年(令和5年)1月現在、メガネの愛眼には1級眼鏡作製技能士の有資格者が128名在籍しています。今回は、1級眼鏡作製技能士を取得している、成澤 敏(なりさわ さとし)店長にインタビューしました。

――眼鏡作製技能士には、具体的にどのような知識・能力が必要ですか?

お客様に適したメガネを提供するために、メガネに関するさまざまな知識、加工やフィッティングなどの技術的な能力が求められます。また、お客様のご要望に応えられるよう、コミュニケーション能力も必要となります。

<眼鏡作製技能士に求められる知識・能力>

知識・視機能、光学、商品、眼鏡販売、加工作製、フィッティング
・企業倫理・コンプライアンスに関する【幅広い知識】
・眼鏡業界に関する【専門的な知識】

能力・お客様のニーズをくみ取る【コミュニケーション能力】
・お客様に合った眼鏡を作製する【測定・加工・フィッティング能力】
・お客様に正しい装用・取り扱いを説明する【説明能力】
眼鏡作製技能検定とは | 眼鏡作製技能検定 – 公式サイト

――眼鏡作製技能士には1級と2級がありますが、その違いは?

1級は、メガネの作製知識・技術に加え、コンプライアンス、眼科専門医との連携に関する知識を要します。さらに、他の眼鏡作製従事者の育成能力も求められます。

一方、2級はメガネの作製に必要な基礎知識や技術を身に着けた者に与えられる資格で、業界のベースとなる眼鏡作製技能士です。

どちらも受験資格が設けられており、1級は「2級の技能検定に合格した者で、合格後、眼鏡作製に関する業務に2年以上の実務経験を有する者」「眼鏡作製に関する業務に5年以上の実務経験を有する者」など、いずれかの条件を満たすことで受験できます。

2級は「眼鏡作製に関する業務に2年以上の実務経験を有する者」「2年制以上の通信制眼鏡専門学校を修了した者」のいずれかを満たせば受験可能です。

――眼鏡作製技能士が在籍する店舗の探し方、眼鏡作製技能士の見分け方はありますか?

眼鏡作製技能士の公式サイトにて、眼鏡作製技能士が在籍する店舗を確認できるように準備中のようです。また、店頭に在籍店ステッカーを貼ったり、販売員が眼鏡作製技能士のバッジを付けたりする予定です。

メガネの愛眼では、公式サイトの店舗検索から眼鏡作製技能士在籍店を確認できます。また、今後店頭に表彰状などを掲示し、眼鏡作製技能士が在籍していることを確認できるような取り組みを予定しております。

――お客様より「眼鏡作製技能士はいますか?」と尋ねられることはありますか?

数は多くないですが、お客様が眼鏡作製技能士の接客を求めて、店舗にいらっしゃることもあります。そういったお客様もおられると思うと、身が引き締まる思いですね。

「メガネに詳しいからこそ、委ねたい」という安心感を求め、来店する方もいらっしゃるように感じるので、今後そういったお客様がますます増えてくるかなという期待があります。

――眼鏡作製技能士の資格を取るにあたり、愛眼様の社内で何か取り組みはありますか?

愛眼には、「愛眼マイスター」という社内資格があります。入社後1〜2年を目安に取得し、取得後は3年ごとの更新試験を設けています。この「愛眼マイスター」は、眼鏡作製技能士とリンクする部分が多く、メガネに関する専門知識・技術を身につけられます。結果として、眼鏡作製技能士の資格取得に役立っていると思います。

また、「愛眼マイスター」の良い点は更新試験があること。知識・技術の復習やアップデートができ、お客様により良いメガネを提供できる力が身につきます。個人的に、最近は接客についてのアップデートが重要だと思っています。どこでも物が買える時代のため、お客様が私達の店舗を選び、足を運んでいただけるよう、丁寧な接客を心がけています。

ちなみに愛眼では、店長資格として「愛眼マイスター」の取得が必須条件となってます。高い知識と技術を持った販売員が店舗に在籍しているので、お客様にも安心してメガネを選んでいただけると思います。

――接客する際に意識しているポイントがあれば教えてください。

店舗ではお客様が何を求めているのかをヒアリングするのですが、機械的な対応にならないように丁寧な会話を心がけています。「お客様がどんなふうに見られたいか」「メガネにまつわるお困りごとはないか」など、お客様が感じていることや抱えている問題点を解決できるように「その人になったつもり」でメガネを選んだり、悩みごとを解決したりしています。

例えば、デスクワークの方なら「普段は近くが見える方が良いですが、遠くはこれくらいぼやけるようになってしまいますよ」と具体的に見え方をお伝えします。どうやってぼやっと具合を解決していくのか、どの程度ならご納得いただけるかなど、お客様とお話をしながらより良いものを選ぶようにしています。

こういった接客が功を奏したのか、私を指名して来てくださるリピーターのお客様もいらっしゃいます。とても嬉しく思いますし、お気持ちに応えられるように心を込めて接客しています。

――メガネを長く使用するには、どのくらいのペースで点検する必要がありますか?

愛眼では、半年に1度の視力チェックを推奨しています。加えて、メガネの掃除、緩んだネジの締め直し、歪みの調整などのメンテナンスもこまめに行いたいので、お客様には「お買い物のついでに気軽にいらしてください」とお声がけしています。

現在、愛眼では「無料メガネクリーニング 100万人達成チャレンジ」というキャンペーンを行っており、全店で90万人を達成(2023年1月現在)しております。お客様が気軽に店舗へ足を運ぶきっかけになってくれればと考えています。

また、クリーニングさせていただくタイミングで、メガネの歪みやレンズの傷などが見つかることも。傷の具合によっては、買い替えをおすすめすることもありますね。

実は、メガネの歪みはめずらしいことではありません。メガネをどこかにぶつけた訳ではなくても、日々の掛け外しや取り扱い方でいつの間にか歪みが生じてしまうこともあります。歪みは見え方に直結するものなので、放置せずに来店していただければと思います。

また、メガネは顔の中心にのせるものなので、掛けた人の印象にもつながります。メンテナンスで整えて、ぜひ歪みのないメガネを掛けていただきたいです。

――最後に、お客様へのメッセージがあればお願いします。

眼鏡作製技能士はできたばかりの資格ではありますが、これからこの資格の認知度が高まり、安心してメガネにまつわる相談ができる人がいるとお客様に知っていただきたいです。メガネを作る上での安心材料のひとつになれればと思っています。