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●調査内容:東京・大塚のトンカツ屋さんにあるデカ盛りメニューを調査!ご褒美デカ盛りとして人気の「特上カツ丼」を食べてきた

「東京・大塚のトンカツの名店にも、実はデカ盛りがあって、最近話題になっているんだよ~」という情報を知り合いの食いしん坊に聞いて向かったのは、JR大塚駅から徒歩4~5分の場所にある『とんかつ三節(さんせつ)』。トンカツ屋さんなのに山盛りの生姜焼きもバズっている評判のお店です。

 店に入り、席につきメニューを眺めつつ、お店の人に「山盛りの生姜焼きも最近人気だそうですね」と聞いてみたところ、「多くのお客様が注文されますね。でもうちの真の大盛りメニューは、生姜焼きよりも『特上カツ丼』なんですよ」とにっこり。


メニュー表。特上シリーズはひれ、ロース、丼の3種。特大エビフライも正直気になる

「特上かつ丼」とは一体どんな丼なんでしょう?「そもそも、カツ丼があるのってお蕎麦屋さんで、トンカツ屋さんにはあまりないんですよ。でもトンカツ屋が作るカツ丼だから、カツが断然美味しい。肉の良さ、衣、揚げ方などにこだわりのあるカツ丼なんです」と話すのは『とんかつ三節』二代目の牧野隆さん。

 お店は昭和51年創業、初代のご両親と二代目、奥様の四人で営まれている、アットホームな雰囲気です。カウンター席とテーブル席があり、カウンター席ならカツをじゅうじゅう揚げているところも眺めることができます。

 今回は二代目のおすすめということもあり、「特上かつ丼」を注文。お値段3500円と、普段食べているカツ丼よりお高めですが、専門店ならではのこだわりのトンカツがのったカツ丼はぜひ食べたいっ!

存在感ある分厚いカツ!「特上かつ丼」1127gとご対面


「特上かつ丼」3500円。味噌汁、サラダ、お新香つき。目の前にするとカツの大きさ、存在感がすごい!

 目の前にやってきたのは、厚みのあるずっしりとしたカツがのった丼ぶり。計測すると、丼の器は20.5×24cm、重さは1127g、味噌汁は直径11cmのお椀に150g、サラダは直径14cmの器に96g、お新香は50g。トータル1423g。ちなみに、揚げる前の豚肉は12×20cm、重さは332gでした。

「お肉の重さは上げる前は大体300gを目安にしていますね」と牧野さん。ということは、ごはん、卵、衣、出汁などで800gちょい、ということでしょうか。よくよく考えてみると、トンカツ屋さんで300gのカツというと、なかなかのボリュームです。


卵&甘辛タレの海に溺れたかつではないので、ザクザクのところもあるのがいい感じ。カツの旨みを堪能するかつ丼

 いざ目の前にして思ったのは、カツが大きいせいか、卵が控えめに見えるなぁ、ということ。だし卵や玉ねぎの中でアップアップしているトンカツではなく、カツが主役としてドーンとあり、卵はあくまでも脇役、といった感じです。

「豚肉のこだわりは、柔らかさより脂の甘さですね。肉の味を楽しめるものを選んでいます。ロースカツで使う一番いいところ、肩に近いロースでサシが入っているものです。揚げ油はサラダ油で、ラードは使っていません。揚げているうちに豚肉から美味しい油が出てくるので、ラードを使わなくても大丈夫なんですよ」と牧野さん。衣には糖分控えめのパン粉を使っているとのことです。


カツが大きいため、2つの「親子鍋」に分けて煮立て、卵などを纏わせる

「特上かつ丼」の場合、カツ自体が大きいため親子鍋を2つ使います。それぞれに甘辛味のタレ、タマネギ、溶き卵一個分を流し入れ、程よい感じになったところでゴハンの上へ。カツ丼の場合、お米はあえて硬めに炊いているそうです。卵2個分入っているのに、カツが大きすぎて卵の存在感が控えめになっているのは、なかなか迫力のある風景です。

 ゴハンはそもそも大盛りですが。さらに大盛りにしたいと希望する人には、「大丈夫ですか?」と一応確認するとのこと。なので2kgぐらい食べたい場合は、その旨をきちんとお店の人に伝えしましょう。

 そして完食するためのアドバイスもいただきました。「カツが温かいうちに食べること、でしょうか。冷めて固くなる前に、カツを美味しく食べてほしいですね」。とはいっても、卵と甘辛タレをまとっているので、冷めても食べにくい、ということはなさそうです。


箸で持ち上げると一切れがずっしり重たい。しかし柔らかくて旨みがジュワッと出てくるのがたまらない

 カツ丼を食べながら、そういえば、と思い出して質問。生姜焼きが山盛りになったきっかけも聞いてみました。

「いや、元々父親の代から千切りキャベツを山盛りにして、分厚い豚肉をキャベツに立てかけるように盛り付けていたんです。それが、最近になって急にSNSで話題になり、ある時から、お客様がみんな生姜焼きとなす味噌炒めを頼む人が増えたんです。一体どうしたんだ? と思っていたら、知り合いからSNSでバズってるよ、と教えてもらって、だからみんな同じメニューを頼んでいたんですよ」。

 そのSNSで見た人が多く注文したという「なす味噌」(800円)は、おつまみとしても人気のメニュー。「ナスを揚げて甘辛味噌にあえるので、めちゃくちゃ熱い(笑)。だからビールと一緒にハフハフ食べる人が多いですよ」とのこと。お腹に余裕があったら注文したかった…!


初代の牧野さんご夫婦と、若旦那の隆さん(右奥)。「豚の脂身が好きな人は、うちのトンカツはお口に合うと思いますよ。脂の甘みに自信あります!」(牧野隆さん)

 トンカツ屋さんですが、実は「チキンカツ」(1300円)も人気メニュー。鶏の胸肉なのにとてもジューシーで、このメニューだけを食べにくる常連さんもいるほど。また、「キスフライ」や冬季限定の「クリームコロッケ」(1300円)も大人気で、他のメニュー+「クリームコロッケ」1個、なんて注文をする人もいるそうです。

「だから、うちに来るときは3~4人で来て、みんな違うメニューを頼んでシェアするといいと思いますよ」。確かに、カツだってロースとヒレの両方食べ比べてみたいし、魚系やコロッケ、おつまみもちょこっと食べたい。となると、一緒に食べる仲間がいたらもっと楽しいのかもしれません。

調査結果

 ということで調査結果。山盛りの生姜焼きは店内に貼ってある写真を見る限り、かなりの山盛り。だけど、トンカツ屋さん自慢の「特上カツ丼」は豚肉約300g、でっかいトンカツで味噌汁などセットでトータル1423g。トンカツ屋のこだわりが随所に感じられる、スペシャルな美味しさでした!

●SHOP INFO

店名:とんかつ三節(さんせつ)

住:東京都豊島区南大塚1-60-16
TEL:03-3945-9967
営:11:30~14:00、17:00~21:00※ゴハンがなくなり次第終了
休:日祝・火曜夜