ねんきん定期便が来たらチェックしたいポイント(50歳以上)

次に50歳以上に送られてくるハガキタイプのねんきん定期便を見ていきましょう。
基本的には、これまで見てきた50歳未満と同じですが、B欄とF欄は少々異なります。

出所)日本年金機構HPより

出所)日本年金機構HPより

B欄「見込額と繰り下げた場合の年金額」

50歳未満の場合は、昨年と今年の年金額が記載されますが、50歳以上では、将来の年金見込額に加えて、65歳から年金を受け取らず70歳や75歳まで繰り下げたときの年金額が記されます。70歳まで遅らせると42%、75歳まで遅らせると84%も増えるのですから、元気なうちは働いて、年金は遅らせてもらおう!と考える人もいるでしょう。
なお、年金は1カ月遅らせる度に0.7%増額されるため、66歳5カ月、78歳2カ月などのタイミングから請求することもできます。

F欄「老齢年金の種類と見込額(年額)」

50歳未満は、加入実績に応じた年金額の表示でしたが、50歳以上は、どんな種類の年金を何歳からいくらもらえるのか、見込額が記されるようになります。ここでの年金見込額は、今と同じ状況が60歳まで継続した場合ですので、今後状況が変わらないようならこれを基に老後の資金計画を立てると良いでしょう。

職業や収入が変わる場合は、年金額も変わる可能性があります。その場合、★欄の「年金見込額試算用二次元コード」や「ねんきんネット」でシミュレーションすると安心です。なお、大半の方がF欄一番右の列に65歳以降の年金額が記されるようになります。左3列は特別支給の老齢厚生年金が記載されます。男性なら昭和36年4月1日以前、女性なら昭和41年4月1日以前に生まれた一定の人のみ対象です。

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ねんきん定期便が来たらチェックしたいポイント(35歳、45歳、59歳)

次に、35歳、45歳の節目で届く封書のねんきん定期便を見ていきましょう。
    はハガキタイプと同じ見方ですので省略します。大きな違いは、加入履歴が詳細に示されている以降の部分ですので入念に確認しましょう。

出所)日本年金機構HPより

出所)日本年金機構HPより

出所)日本年金機構HPより

出所)日本年金機構HPより

出所)日本年金機構HPより

「これまでの『年金加入履歴』」

国民年金制度に加入していた期間は「国年」、厚生年金制度に加入していた期間は「厚年」と記されます。勤め先名や加入資格を取得・喪失した年月日、加入月数と細かく記載されています。記載内容が間違っていないかはもちろんですが、空いている期間はないか確認することは重要です。もし、加入していたはずなのに空きがあるという場合は、転職などで正しく手続きがされていない可能性があります。将来の年金に影響するため調べてもらわなければなりません。

「これまでの厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況」

ここには、厚生年金に加入していた期間の給与相当にあたる標準報酬月額やボーナス相当にあたる標準賞与額、そして納めた保険料が記されています。もらっていた給与や賞与と大きく違っていないか確認しておきましょう。

「これまでの国民年金保険料の納付状況」

国民年金に加入していた時期の納付状況です。納付や免除、学生納付特例等など年度ごとに月数が表示されます。未納期間がある場合は2年、免除や学生納付特例の場合は10年遡って納めることが可能です。こちらも間違いがないか確認します。

59歳時に届く封書のねんきん定期便も同じ要領で確認できますのでここでは割愛します。35歳、45歳時との違いは、具体的な年金見込み額が確認できるという部分です。