抜歯や虫歯の治療で、歯医者がすっかり苦手になった私。その結果、最長で歯医者から10年くらい遠ざかっていました。その間、ケアが行き届かずに口の中が大変なことになってしまった私の体験談をご紹介します。

歯医者嫌いの始まりは親知らずの抜歯



「きれいな歯だね〜。歯磨きもよくできている」。小学生のとき学校の歯科検診で、毎回歯医者さんに言われた言葉です。「私は歯が強いんだ、歯磨きがじょうずなんだ」と子ども心に誇らしく思っていました。友だちや兄弟が虫歯になって通院していたのに対し、私はめったに歯医者には行きませんでした。

流れが変わったのが、大学生になったとき。親知らずが痛くなり、近所の歯医者に行きました。抜歯のため、麻酔を初体験。大きな注射で歯茎に突き抜けるような痛みが走りました。そのときはなぜか表面麻酔をしてもらえず、とても痛かったのを覚えています。まだ奥歯の感覚が残っているのです。口角が切れるほど大きな口を開けて、結局合計5回麻酔注射をされました。

しかし、抜歯中も痛みをしっかりと感じ、ふらふらになりながらやっとのことで帰宅。その日は痛みで寝込んでしまい、歯医者にはもう行きたくないというトラウマが残りました。

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治療が怖くて歯医者に行かなかったら…



歯科治療がすっかり怖くなった私は「私の歯は丈夫だから」と自分に言い訳し、極力歯医者に行かないようになりました。そして、虫歯がひどくなってからやっと歯医者に行くので治療が痛くなりやすく、さらに歯医者から足が遠のくという悪循環に陥ることに。妊娠と出産を経験した私の口腔内の状況は子どものころより悪化していたにもかかわらず、定期的なメンテナンスをすっかり怠っていたのです。

すると、40代になって「なんか歯が長くなってきた」と感じるようになりました。鏡で見ると歯茎が下がっており、特に下の前歯がネズミの歯のように長くなっているのです。さらに、歯磨きのときによく歯茎から出血していました。

日本臨床歯周病学会によると、30歳以上の成人の約80%が歯周病にかかっているそうです。しかし、その当時の私は「歯周病」というものをよく知りませんでした。「CMで聞いたことがある」程度の認識で、まさか自分が歯周病になっているなんて思いもしませんでした。