タクシー業界にも大きな影響が起こる

2024年問題の影響は、トラックドライバーだけに限定されるものではありません。自動車運転業務はタクシーやバスの運転手も含まれるため、2024年4月から労働規制が厳しくなるのは彼らも同様です。

タクシー業界もトラック業界と同様に人手不足が長年続いており、またドライバーの高齢化も年々深刻になっています。このような状況の中、昨今の新型コロナウイルスの影響により、高齢化したドライバーの多くは職場復帰を果たしておらず、街中を走るタクシーの数は以前より明らかに減っています。

タクシードライバーの労働環境を改善し、働きやすい環境を作ることはタクシーの安全性を高めるためにも必要なことではありますが、2024年4月以降はさらに人手不足の影響が大きくなることから、タクシー台数の減少やタクシー料金の値上げが行われる可能性は高くなると言えるでしょう。

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2024年問題の解決に向けた取り組み


Solutionとproblem
【画像出典元】「stock.adobe.com/Kenishirotie」

最後に、2024年問題の解決に向けた取り組みについて紹介します。こうした取り組みは、運送業者側と荷主側の双方で行われています。

運送業者側の2024年問題解決に向けた取り組み

2024年4月以降は長距離の単独運送が困難になる可能性が高いため、運送業者の一部では東京と大阪の中間地点にあたる浜松で荷物の受け渡しを行う方法で、長距離運搬を開始しています。

また、このような荷物の受け渡しを行う場所を確保できない場合には、荷物を積み替えるための倉庫を用意し、そこで荷物の受け渡しを行い、法定労働時間内の勤務で荷物を運搬するための工夫を開始しているようです。

荷主側の2024年問題解決に向けた取り組み

一方荷主側でも、2024年問題解決に向けた取り組みが実験的に行われています。日用品などを扱う通販サイト「LOHACO」では、毎月特定の日に限り、標準より遅いお届け日を指定した利用者にポイントを付与するサービスの実証実験が行われていました。利用者が3~7日後の配達日を選ぶことにより、急ぎではない荷物を分散し、運送業者の負担を軽減することが狙いです。

その結果、納品は遅くなるもののポイントの付与率が高くなるため、多くの人が遅めの配達日を積極的に選択していたことが分かりました。