こんにちは、ライター/ランサーズ新しい働き方LABコミュニティマネージャーの中新大地です。

今まで私たちが面倒だと思っていたこと、私たちが誰かに任せられたらと思っていたことを任せられる存在がついに誕生しました。
それが「AI(人工知能)」です。

しかし、急成長を続けるAIは、私たちの面倒な作業を肩代わりするというレベルを飛び越え、私たち人類以上の能力を発揮しようとしている、あるいはある領域においては既に私たちを超えているとすら言われています。

AIが人智を凌駕する瞬間、いわゆる「シンギュラリティ(特異点)」はやってくるのか。今回は揺れている私たち人類とAIの関係について考えてみましょう。

成長著しいAIの光と闇

成長著しいAIの活躍が、世界中で注目を集めています。文章を書くAIもあれば、絵を描くAIもある。プログラムを生成するAIもあれば、作曲を行うAIもあります。

数あるAIのなかでも特に最近脚光を浴びているのが、「ChatGPT」でしょう。
ChatGPTに自分がやりたいことやそこに紐づく条件を盛り込んだ指示を与えれば、それを叶えるための手順を説明してくれたり、文章やプログラムに用いるコードを書いてくれたりします。
その素晴らしい出来栄えには、大きな感動とともに不安も覚えます。私たち人類の今後の仕事はどうなるのか、と。

実際、コールセンター、事務員、銀行員、警備員、コンビニやスーパーの店員などが行っている業務はAIが取って代わると言われています。ちなみにコールセンター業界の市場規模は、2019年度には9065億円、2020年度は1兆421億円となっており、これがそっくりそのまま失われるとすれば恐ろしいことです。さらに、AIの技術が今以上に進化し、より複雑な作業をこなせるようになれば、人間が奪われる仕事はこの限りではありません。今、私が関わっているライターの仕事も、AIが担うようになるかもしれません。

また、AIは与えられた指示に基づいて回答を提示してきますが、この時AIに与える指示に含まれる機密情報の取り扱いや、学生たちが自分の課題をAIにやらせることで起こる学力低下などの問題も危惧されています。

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人類が迎えるかもしれない、シンギュラリティとは?


カフェで新聞を読むロボット
【画像出典元】「stock.adobe.com/Alexander」

膨大なデータを処理・学習するAIは、私たちが面倒だと思っていたことを代わりにこなしてくれるばかりか、私たちよりも早く正確に、それでいて効果的な解決方法を提示してくれます。このままいけばAIが人智を凌駕する瞬間、「シンギュラリティ(特異点)」がやってくるかもしれません。

少し話は飛躍しますが、『いつかAIが人類に反逆を起こすのでは?』といった声も、シンギュラリティを恐れる人たちの間でささやかれています。10年前なら「SF映画の見過ぎだよ」と笑えたかもしれないですが、ここ数年のAIの躍進を振り返れば笑えない話になってきたように思います。

実際、倫理的な問題を放置したままAIが進化していることや、急速な成長により人類の手に負えない存在になることを危惧して、その開発を6カ月間止めるよう要請する公開書簡も発表されています。そこにはテック界の大物であるイーロン・マスク氏やStability AIのCEOエマド・モスタク氏らの名前が。AI開発の先頭を走っていた業界の大物たちが署名していることには驚きを隠せません。

しかし、開発を止めるよう要請していたはずのマスク氏が、パソコンの頭脳を司る部品のひとつであるGPUを大量に購入し、抜け駆けしようとしているという報道もあり、波紋を呼んでいます。

さらにマイクロソフトのビル・ゲイツ氏は、AIは大きな恩恵をもたらすとして「なぜ停止すべきかわからない」とコメント。AIと人類の関係はどうなるのか、適切な距離感はどれくらいなのか、この大きな流れに乗るべきなのか静観すべきなのか、多くの人たちが頭を悩ませています。

ちなみに日本の文部科学省は、学校教育の現場でAIを使うことにはメリットとデメリットの両方があることを述べた上で、ガイドラインを策定することを発表しています。しかし、根幹となるような方針や対策はまだ示されていませんし、学生たちのAI利用を制限するのは実際問題難しいでしょう。

国や企業がAIを危険分子として排除したいのならば、AIを用いたサービスへのアクセスを遮断しなくてはなりません。が、今もAIを用いたサービスは次々に生まれており、根本的な解決はやはり難しいでしょう。