
ヴィンテージメガネとは、1950年代から1980年代あたりに製造された古いメガネです。1950年代より以前のものはアンティークと呼ばれることも。古いからと言って劣化しているとは限らず、状態の良いアイテムも多くあります。本記事ではヴィンテージメガネの特徴や魅力、メンテナンス方法を紹介します。
ヴィンテージメガネとは?

ファッション用語としてよく耳にするヴィンテージ。古き良きものという印象を与えるワードですが、メガネの世界にもヴィンテージメガネと呼ばれるアイテムが存在します。まずは、どの時代のどんなメガネがヴィンテージに該当するのかを紹介します。
ヴィンテージメガネの定義
主に1950年代~1980年代あたりに作られたメガネをヴィンテージメガネと呼びます。ヴィンテージという言葉には「由緒ある、古くて価値のある」などの意味があり、単に古いわけではありません。古いからこそ価値のあるアイテムを指します。
またヴィンテージより以前の価値の高いメガネは、アンティークと呼ばれます。しかしこの定義は曖昧で、100年以上前(1900年より前)のものをアンティークとするなど諸説あるようです。上記の年代の区分けはメガネのもので、アンティークやヴィンテージの時代的定義はジャンルによって異なります。
ヴィンテージメガネの歴史
視力矯正のアイテムとして世界中の人が使っているメガネですが、誕生した場所はイタリアとされています。1800年代のメガネは、貴族など限られた人が使用するアクセサリーのようなものでした。
1860年代の産業革命を経て大衆に向けてメガネを作るようになり、メガネの製造方法や販売の規模が大きく変わっていきます。一点ずつ作られる工芸品のような取り扱いから、大量生産の工業製品となりました。
現在は1980年代頃までがヴィンテージとされていますが、少し前は1970年代頃までをヴィンテージとし、最近では2000年より前をヴィンテージと捉える場合もあります。今後もヴィンテージの範囲は歴史とともに変化していくでしょう。
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ヴィンテージメガネの特徴・魅力

歴史を感じるヴィンテージメガネには、最先端の技術を使ったメガネとは異なる魅力があります。ここでは、ヴィンテージメガネの特徴とその魅力を紹介します。
一点物が多い希少性
ヴィンテージメガネは工芸品のように手作りされ、アクセサリーのように取り扱われていたため、一点物が多く希少性が高いです。他の人と同じアイテムではなく、自分だけのアイテムや個性のあるアイテムが欲しい人に適しています。
素材が良い
さまざまな人工素材と製造技術がある現代に比べ、1890年より以前のメガネは天然の素材が多く、金や銀に銅、鉄などが使われていました。言うなれば宝石のようなものです。
加えて、古いメガネはプラスチックフレームに柔軟性を上げるための可塑剤を使用しており、それが耐久性の高さに結びついています。その分重量は増すものの、ヴィンテージらしいと気に入る人も多いようです。
また現代ではプラスチックレンズが主流ですが、1960年代の始めまではガラスレンズのみでした。ガラスレンズは傷がつきにくく劣化しにくい特徴があります。透明度が高く視界がクリアな点もメリットです。
価値が下がらない
ヴィンテージメガネは素材の耐久性に優れ、装飾品だった時代には金銀の装飾も多く、劣化しにくいです。そのためヴィンテージメガネは価値が下がりにくく、その分高価なアイテムも多いと言えるでしょう。
価格は素材や状態によって異なります。10~20万円と高価なものもありますが、購入しやすい価格のアイテムも豊富です。
その時代ごとのデザインを楽しめる
ヴィンテージやアンティークと呼ばれるアイテムは、その時代や国、製造方法によってデザインの特徴が異なります。
1890年代~1960年代は大量生産を、ひいては多くのユーザーを意識して、サイズのバリエーションが豊富になりました。さらに1960年代~1970年代には、ヨーロッパ各国の自由主義の広まりを背景にメガネのデザインも多様化します。このように時代ごとの変化、メガネ一つ一つのストーリーを楽しめるのも、ヴィンテージメガネの魅力です。