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●外食しながらダイエットもアンチエイジングも叶えたい!そんな我儘な願いを叶えるべく、ボディメイクのプロ・石本哲郎さんが「若返りやせ飯」の選び方を伝授。初回のテーマは「マクドナルド」の食べ合わせ術です。

若返るか老けるかは、食べるタイミングで決まる

 ジャンクフードの代表格として取り上げられることの多いマクドナルド。「体に悪そうだし、ダイエットにもアンチエイジングにも向かないんじゃ?」と思われがちですが、実は、ボディメイクの指導者界隈では「うまく選べばそんなに悪くない」というのが通説です。その理由は、お肉がメインのハンバーガーであれば、たんぱく質の確保が容易にできるから。また、丼物などと比べ、炭水化物の量がそこまで上がらないのも良い点です。

 アンチエイジングの観点からいうと、そもそも体に悪さをするのは、必要以上に食べ過ぎることが原因。例えばチョコでも、食後のデザートとして食べたら肌荒れを起こしやすいけど、空腹時に少し食べるだけなら悪さを働く前にエネルギーとして消化吸収されます。

 つまり、前回の食事から5~6時間空いていて、食後にエネルギー消費が狙える日中であれば、マクドナルドを食べても体脂肪になりづらく肌荒れなども起こしにくいということ。肌、爪、髪の原料となるたんぱく質をしっかり摂り、脂質を摂り過ぎないこと以外にその質にこだわることで「若返りやせ」も期待できると思います。

マクドナルドで目指すは100点ではなく平均点の底上げ

 ジャンクフードとは栄養価のバランスを著しく欠いた加工食品のことで、確かにマクドナルドはこれに当たります。でも考えてみてください。そもそも、外食の時点で100点を取ろうとすること自体が間違い。1食で必要な栄養素が全て摂れる完璧な食事なんて、そんなもんあり得ません。ダイエットもボディメイクも、1食じゃなくて1日ないしは1週間というトータルで考えるべきもの。外食で1回悪い点を取ったとしても、全体の平均点が高ければ、基本的にやせます。

 とはいえ、外食のたびに0点を取っていたら、さすがに他の食事でカバーしきれませんよね。そこで、より点数の高いメニューを選んで、なるべく平均点を上げる意識を持つことが大切になります。

 基本的にはカロリーが低く、たんぱく質が多いものほど高得点と考えればOK。カロリーは1食500kcal前後が理想で、1000kcalを超えるとヤバイと思ってください。たんぱく質は1食あたり女性なら20~30g、男性なら30g~40gが目安です。

メインのハンバーガー、高得点を狙うならコレ!

 では早速、マクドナルドのメニューを見ていきましょう。高得点をマークしたハンバーガーはこちらの2つ。


「ハンバーガー」と「エグチ」がダイエット向きバーガーのツートップカロリーたんぱく質(P)脂質(F)炭水化物(Ⅽ)ハンバーガー256kcal12.8g9.4g30.3gエグチ387kcal22.3g18.9g31.0g

 栄養成分表を見てみると、どちらもカロリーは全く問題なし! そしてたんぱく質量も「エグチ(エッグチーズバーガー)」はしっかり20gを超えてきています。これだけ単品で食べてもOKなくらい、優秀バーガーと言えますね。


ビーフパティと卵の入った高たんぱくバーガーのエグチ

 一方の「ハンバーガー」、実はたんぱく質量が足りていません。でも、心配ご無用。サイドメニューでたんぱく質を補ってあげればいいだけ。サイドの選び方に関しては後述しますが、メインのカロリーが低く抑えられているため、カロリーオーバーせずにサイドをプラスすることができます。シンプル・イズ・ベスト。余計なカロリーがのっていないからこそ、最もダイエット仕様にカスタマイズしやすいのがハンバーガーです。

ダイエットに不向きのNGバーガーは?

 逆に、ダイエットに向いていないハンバーガーはというと……こちら。


「てりやきマックバーガー」がワースト1

 ダイエットメニュー選びで重視すべきポイントは、三大栄養素であるたんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、糖質(Carbohydrate)のPFCバランス。特に、たんぱく質の方が脂質よりも多いかが重要になります。

 ところが「てりやきマックバーガー」はなんと、脂質(30.2g)がたんぱく質(14.5g)の約2倍! ダイエット的にかなり不利な栄養配分となっております。しかも478kcalと高カロリー。これって他のメニューだと何に近いかというと、豚の角煮なんですね。めっちゃヤバイやつです。

 おそらくマヨネーズの脂質と照りの糖質のせいだと思われます。おいしいんですけどね……。栄養素だけを見れば、ぶっちぎりで良くないです。

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サイドメニューで重視すべきはたんぱく質量!

 ダイエット中だからと、ヘルシーなサラダを選ぶ方も多いですよね。でも正直な話、ファストフードで摂れる野菜の栄養素なんて、ほとんどスッカスカ。サラダを足したところで必要量をどうにかできるレベルじゃないので、ビタミン・ミネラルはサプリで補ってください。

 それよりも重要なのはたんぱく質の確保。「チキンマックナゲット」や「枝豆コーン」でバーガーの不足分を補ってあげましょう。


たんぱく質の補填に役立つ「チキンマックナゲット」と「枝豆コーン」

 ナゲットはたんぱく質が15.8gも摂れるため、ハンバーガーにプラスすればたんぱく質量が28.6gにまで跳ね上がり、目標点を楽々クリアできます。

 ナゲットのソースは、ぶっちゃけどちらでもOK。バーベキューソース33kcal、マスタードソース44kcalと、はっきり言って誤差みたいなもの。好きな方を食べて満足度を上げたほうが、ダイエット的にもプラスです。

 余談ですが、モスバーガーの場合はバーベキューソース25kcalに対して、マスタードソースはなんと102kcal。この差はちょっとエグイので、無視できないレベルといえます。マスタードソースが好きな方は、モスじゃなくマックで食べましょうね。

「枝豆コーン」のたんぱく質量は5.2g。ハンバーガーと合わせると18gと、若干たんぱく質量が足りないかなという感じ。でも、83kcalと低カロリーで食物繊維やイソフラボンも摂れる点は「若返りやせ飯」としては高く評価できますね。エグチなど、既にたんぱく質が足りてるメニューにプラスするなら「枝豆コーン」、かなり優秀です!

どうしてもポテトが食べたい場合は……

 逆に、最も選んじゃいけないサイドメニューは、皆さん薄々お気づきかと思いますが「フライドポテト」です。ダイエット食において重要な3要素は、高たんぱく、低カロリー、良質な脂質。ところが「フライドポテト」には、たんぱく質が全然入ってない、カロリーを控える気がない、油の質が悪い、と負の要素が3拍子揃っちゃってます。

 ポテトとジュースだけ注文して、なんとかカロリーを抑えてる気になってる方も結構多いですが、それこそ愚の骨頂。たんぱく質が摂れてないと、カロリーの割に満足感が少ないため、数時間後にまた食べたくなってドカ食いを招きやすいのです。

 食べるなら、せめてハンバーガーと一緒のほうがまだまし。エグチなどでしっかりたんぱく質を確保できていれば、たまにはヤンチャしてポテトをつけるのもありです。ただしSサイズでお願いします。

ドリンクは「コカ・コーラゼロ」がおすすめ!


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 味のついたカロリーのある清涼飲料水を飲みたいのなら、爽健美茶や烏龍茶、ブラックコーヒーやアイスティーストレートのほか、「コカ・コーラゼロ」を選びましょう! 普通のコーラ(M)が糖質35.1g、140kcalに対して、「コカ・コーラゼロ」(M)は糖質もカロリーも0。この差はマジでデカいです。咀嚼しないドリンクは、摂取カロリーの割に満足感が低いため、ドリンクでカロリーを摂ってしまうことはダイエット的に非常にマイナス。

「昔飲んだことあるけど、人工甘味料の味がおいしくなかったんだよね……」と言う方も多いですが、最近の「コカ・コーラゼロ」は普通のコーラと遜色ないくらいおいしく進化してます。騙されたと思ってぜひ再チャレンジを!

 

結論

 単品なら「エグチ」がベスト。セットで満足感を増したいなら、ハンバーガー、チキンマックナゲット、コカ・コーラゼロの最強カスタマイズがおすすめ!

 セットにしても総カロリーは548kcalと控えめ。たんぱく質が28.8gも摂れるので十分な満足感を得られるうえ、脂質は25.7g、炭水化物は51.1gとPFCバランスもバッチリです(※バーベキューソースの場合)。

 でも「せっかくマックに来たから好きな物を食べたい!」という方は、好きなハンバーガーを食べる代わりに、サイドを枝豆コーンにしたり、ドリンクでカロリーを摂らないなどの工夫をしてくださいね。

(語り◎石本哲郎、インタビュー・撮影◎酒詰明子)

●プロフィール

石本哲郎

女性専門のパーソナルトレーナー。東京や神奈川にて、女性専門パーソナルジムリメイクや女性専門フィットネスショップリーンメイクを数店舗運営。女性のダイエットに関わる医学、栄養学、トレーニングメソッドについての豊富な知識と、自ら意図的に太ってやせる「減量」実験の成果から編み出した独自のメソッドで、のべ1万人以上の女性の体づくりを指導し、成功へと導く。ダイエットに悩む女性の指導をもっとも得意とし、「健康的かつきれいに女性の体を変える技術」には定評がある。代表作『神やせ7日間ダイエット』などを含め著書累計20万部を超える。
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