最近はよく耳にする「モラハラ」という言葉。今となっては自分が受けていたのがモラハラだと理解できますが、当時は、そんなことは思いもしませんでした。テレビで見る、モラハラを受けた人の話も「なんてかわいそうな……」と思って見ていたし、私にとっては他人事でしかなかったのです。
これは私がモラハラを受けていたとき、それに気付けず「自分が不出来なせいだから……」と思っていた体験談です。
夫の暴言で自己評価が下がっていき…
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私がダメ人間だから…と思い込み
23歳で結婚し、結婚生活も10年を過ぎたころから「お前はどうしようもない人間だから……」などと言われることが増え始めました。最初は反論したこともあったのですが、度重なる「お前はダメ人間」という言葉の攻撃にだんだん洗脳されていったんだと思います。
気付いたときには「私はダメな人間だから、生きているだけで申し訳ない」と思うようになっていました。誰かにやさしくされると「申し訳ない」「私なんかのために…」と思い、ますます落ち込みます。
今は離婚して平和に暮らしていますが、このころはどんなにひどいことを言われても、「子どもが大学を卒業するまでは離婚しない」と決めていました。経済的に不安だったからです。
そんなある休日の朝、珍しく早起きをした夫が「今日は友人の永田の所へ出掛けるから」と言っていました。久しぶりに聞く名前でしたが、そういえばお正月に届いた年賀状に「子どもが生まれました」と記載されていたのを思い出したので、会いに行くのは特に不思議なことではないかなと思ったのです。
しばらくして、一旦玄関を出た夫が戻って来て私を呼んでいました。「何?」と玄関に顔を出すと、「今日は泊って来るから」と言いました。