幼いころから肌が敏感だった私は、小学校に入学するころには、かゆみを我慢できず、特に就寝中に無意識に肌をかきむしっては皮膚科に通うという日が続いていました。両親が定期的に病院に連れて行ってくれたことと薬の効果のおかげで、年単位での通院は免れました。あれから数十年たった40代に入ったころ、あのころに味わった我慢できないかゆみを再度味わうことになった私の体験談を紹介します。

秋以降、我慢できないかゆみが発生するように



40代になったころの秋ごろから、入浴後になぜか太ももの内側にかゆみを感じるようになりました。初めのうちは、「温かいお湯に浸かって血行が良くなったんだ!」と、あまり気にしていませんでした。このころは、毎回の入浴後にこの症状が出ていたわけではなく、かゆみも数分で治まっていました。

本格的な冬が到来してからも、相変わらず同じ症状が出ていました。かゆみの強さが少しだけ増し、以前よりも症状が出る頻度が高くなっていましたが、もともと肌が敏感で乾燥気味だったのでいつものことだと思い、やり過ごす日が続きました。このときのかゆみは入浴後のほんの数分だけで、スキンケアをしている間に消えてしまう程度でした。

しかし、年が明けて寒さがピークになるころ、このかゆみが長く続き、我慢できなくなってきたのです。かいてはいけないことはこれまでの経験上わかっているのですが、どうしても我慢できないのです。かかないようにパンパンとたたいてみても治まりません。せめて爪を立てないようにと、指の腹や親指の付け根の膨らんだ部分(母指球)で強めにさすってみても、かゆいものはかゆい! どうしても我慢できず、かいてしまいました。

まさに幼少期のころと同じ状況です。大人になっても、かゆいものはかゆく、我慢できないものもあるのだと思い知りました。

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かゆみに耐え切れず受診して診断されたのは



一度かいてしまったら、もう止まりません! 入浴後、毎回肌が真っ赤になるまでかいてしまっていました。かくことでかゆみが少し治まったような気になってしまっていたのです。もちろんこのころは、さすがの私も血行が良くなっただけとは思っていませんでした。

かゆみは入浴後だけで、普段の生活の中で困ることはなかったため、もう少しだけ様子を見よう、春になれば治るかもしれないと、淡い期待を持ち続けました。

しかし、そんな私の期待は見事に打ち砕かれ、かゆみの範囲はどんどん広がっていきました。太ももだけでなく、ふくらはぎ、足首、最終的には足の甲までかゆい!とにかくかゆくてかゆくてかきむしり、皮膚には点状の内出血の跡がたくさんできていました。

自分の足の肌を見るのが嫌になり、かゆみが治まるとすぐにパジャマを着て、見えないようにする日々。この状況とそんな自分が嫌で、今度の休みに病院に行こう! と、やっと皮膚科で診察を受けたのでした。

医師の丁寧な問診により、私の症状は「寒冷じんましん」と診断されました。じんましんになったことがありますが、寒冷じんましんは初耳でした。寒冷じんましんの原因の一つは、寒暖差によるものです。私の場合は熱い湯船に浸かり体が温まったと思っていても、お風呂上がりに体が冷えてしまってかゆみが起きるタイプでした。