まとめ

今回は通勤手当が年収に含まれるかどうか、主に税制上と社会保険上の扱いについて紹介しました。以下にまとめます。

・税制上、通勤手当は基本的に非課税
・税制に定めた上限を超える場合は「課税通勤手当」となるケースもある
・社会保険上は税金とは違い、通勤手当も年収に含まれる

多くの人が「税制上では非課税だから収入に含まない」と考えている傾向にあります。必ずしもそうではありませんので、その点ご注意ください。

会社に勤務する人にとって通勤手当はもらって当然という位置づけかもしれませんが、法律上、会社に支払いの義務はありません。よって通勤手当のない会社もあります。

会社にとって通勤手当は生産性との連動制が低い費用負担といえます。例えば電車代を実費で支払う場合、1時間働いた場合でも8時間働いた場合でも同額の支払いとなります。つい、基本給や時給、役職手当などに興味関心がいきがちですが、支払う会社側にとって通勤手当も大きな人件費の一部となっているのです。次回の給与明細をもらう際に通勤手当にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

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通勤手当に関するQ&A

Q:電車で通勤する前提で定期代相当を通勤費としてもらっていますが、出勤時も帰宅時も電車が混雑します。自分で会社近くに月極駐車場を借りて車で通勤をしたいと思っています。何か問題はありますか?

A:あらかじめ会社に申告しておく方が良いでしょう。基本的に、通勤中のトラブルも労災保険の対象になる場合があります。しかし、会社が把握しているものとは異なる通勤経路、手段でのトラブルは、会社側の労務管理や労災保険上、問題となる可能性があるからです。通勤手段のみならず、通勤経路などの詳細を入社時に申告するのはそのためです。

Q:今まで遠方から通勤をしていましたが、会社の徒歩圏内に引っ越しました。今後通勤手当が不要となるため、その通勤手当分を住宅手当として上乗せしてもらうことは可能でしょうか。

A:通勤手当や住宅手当は就業規則をもとに支給されているため、1人だけ特別扱いをするのは難しいと思います。ただし、中小企業など従業員がそれほど多くない会社は、各従業員の状況を踏まえ、個別事情を手当に反映するという場合も見受けられます。一度上司や経営者に相談してみてはいかがでしょうか。