めまいの原因は「夫源病」?

耳鼻科からの帰り、仲の良いママ友と偶然出会った私は、耳鼻科での話をしました。「次は脳外科か内科って言うから、何だと思ったら心療内科だったみたい」と笑うと、ママ友はおもむろに「フゲンビョウって知ってる?」と話し始めました。

「フゲンビョウ? 何それ?」と聞いた私にママ友は「夫が源の病って書くんだけど、退職や休暇でずっと家にいる夫の存在や心ない言動がストレスになって、妻が心身に不調を来す病気なんだって。少し前にテレビで見たんだ」と教えてくれました。

夫源病(ふげんびょう)だなんて初めはふざけた名前だと思いましたが、更年期障害のような頭痛・動悸・めまいなどの症状が現れ、時には深刻なうつ状態になる人もいるというのです。

私がこのママ友と気が合うのは、「家庭に無関心でモラハラ気味の夫」という共通の悩みがあるから。夫の耐えがたい言動に愚痴をこぼし、悩みを語り合う戦友のような関係です。

「休みに夫がずっと家にいてストレスが度を超えたのかも。私たち、夫源病予備軍だよ」そう言って体調を気づかってくれるママ友と「お互い気を付けよう」と励まし合い、別れました。

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原因不明のめまいがピタッと治った!

不思議なことにお盆休みが明けた日を境に、めまいはピタッとなくなったのです!

考えられることはただ一つ、長い夏季休暇が終わり、夫がまた出勤するようになったこと。もはや病院に行く必要がなくなったので原因はわからずじまいでしたが、仮に夫源病だったとすると、心当たりはいくらでもありました。

この2~3年だけを振り返っても、息子は大学受験でピリピリしていたし、中学生の娘は友だち関係で悩み、学校を休みがちでした。

私もフリーの仕事をしながらのワンオペで家事と子どもたちのケアをしていたので心身はくたくた。そんな家族のピンチにも我関せず、高圧的な態度で話し合いにも応じない夫に、私はもう諦めの境地だったことはたしかです。

9連休という逃れきれない状況下で、積もりに積もったやり場のない気持ちが、自覚症状のないまま体調の異変となって現れたと考えれば、納得がいきました。

夫源病を調べると、治療方法は「夫婦でのカウンセリング」や「別居など夫との距離を置くこと」と書いてありました。悲しいかな、私の夫は一緒に困難を乗り越えてくれるタイプではなく、別居も現実的には無理。

そこで私は大学進学で家を出た息子の部屋に寝室を移し、「夫との距離を置く」ことで自分のメンタルヘルスを最優先することにしたのです。